2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。

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 20年間生活した東京をあとにして、故郷北海道で自然や犬との気ままなシンプルライフを楽しむアンヌさん。
本連載では、40代の今だから感じる日々のあれこれを綴ります。
 第85回となる今回は、アンヌさんが福岡出張での実感をつづります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

久しぶりの福岡出張

 この度、北海道のテレビ局UHB(北海道文化放送)と福岡のテレビ局TNC(テレビ西日本)共同制作の番組に出演させていただくことになり、福岡まで出張して参りました。

 福岡にお邪魔するのはTBSアナウンサー時代以来。10年ぶりくらいでしょうか。

 今回の番組は視聴者参加型、生放送の楽しいクイズバラエティ。21時の放送終了後、福岡の街を散策してきました。

 ビル群の合間に山の稜線が顔をのぞかせる様子は札幌にも似ているなと思いつつ、川沿いに屋台が並ぶあの雰囲気はまさしく思い描く夢の福岡の光景そのもの。

 華やかな夜の街並みにワクワクがとまりませんでした。マネージャーと二人、さあどこのお店に入ろうかとうろうろしていたところ、一本の電話が。

 今回は北海道と福岡の共同制作番組なので、いつも私が道内でお世話になっている出演者の方やスタッフの方々、テレビ局員の皆さんなども福岡に集結していたのです。そのうちのある方から「よろしければみんなで軽くお食事ご一緒しませんか」とお声がけいただきました。

出張先での不思議な連帯感

これって古い?「出張先での上司・同僚との反省会」の価値を元TBSアナが改めて問う「不思議なバディ感が生まれる」
アンヌ遙香さん
 ということで札幌の仕事仲間とじっくり福岡の夜を満喫する事に。これね、本当に不思議なんですけど、地元で飲むのももちろん楽しいですが、出張先って不思議な連帯感生まれませんか?

 なんか、地元では普段恥ずかしくて話せないような、濃ゆーい仕事論に花が咲いたんですよね。
そして時間の経過もあっという間!!

 思い返せばこの「出張先激アツ会合」、TBS時代もあったかも。

 夕方のニュース番組で中継をするためディレクターやカメラマンさん、音声さんらと行動し、場合によっては連日現場から現場へ場所を移動。

 その日の宿を探しながら取材活動もする、アナウンサーもディレクターも関係なくその場で最良の原稿やカメラワークなどを生み出すべく頭をひねる。中継が終わると不思議な安堵感と、そして丸一日ずっと一緒に動き回りニュースを作り上げたという「バディ感」が生まれるのです。

このバディ感、悪くない

これって古い?「出張先での上司・同僚との反省会」の価値を元TBSアナが改めて問う「不思議なバディ感が生まれる」
福岡出張にて
 夜はみんなで晩御飯をご一緒しながらの反省会と翌日の作戦会議。

 どう働くかってどう生きたいかに直結していると思うのですが、仕事が大好き、という人間同士で激論をかわせば、それはそのまま人生論へとつながったり。

 しかもそれが地元を離れたよく知らない街で、迷いながらもみんなで歩いて歩いてやっとたまたま見つけた小さな居酒屋だったりして、そこが地物の食材を使っためっちゃくちゃ美味しいお店だったりすると、その夜は信じられないほど特別な夜になったりするわけで。

 出張先で、「仕事仲間」以上の不思議な友情にも似たリスペクトの念が生まれ、それが地元に帰ってからも仕事のやりやすさや、質の向上につながったりするんですよね。私としては、出張がもたらす不思議なバディ感って、時代錯誤かもしれませんが、悪くないのではって思っています。

 コロナ禍以降、オンライン会議が当たり前になり、出張そのものが激減した昨今。コストカットという点からも、遠方への移動や宿泊を伴う仕事はなかなか会社から許可が下りにくくなっているところも多いでしょう。

 しかも私は北海道在住。道外の方とお仕事をする際などはいつもまずはZoom会議。
むしろ北海道内同士であっても、ここはあまりにも広いので、打ち合わせはやはりオンラインで、という流れになります。

 画面越しでもお顔を見てお話しできますし、本当に便利になったな、いろんな選択肢が増えて良いなと思う一方で、そんな世の中だからこそ、たまの出張がもたらす発見ってたくさんあるのではと感じます。

対面でのコミュニケーション、日本にもう少しあってもいいかも

 違う街の空気がもたらすリフレッシュ感は良い意味でのクリエイティビティにも繋がりませんか。場所を変える、移動する、それがなくても仕事ができる時代にはなっていますが、やっぱりそこに直接行く、直接会うことでしか得られない、わからないこともいっぱいあると思うのです。

 こういう感覚、、もう「古い」のでしょうか。

 今の若い人たちからしたら、仕事後出張先で先輩と「反省会」や「作戦会議」なんて嫌なのかな……。ちょっと昭和な光景でしょうかね。

 私は個人的に、今回の出張で尊敬する仕事仲間と良い時間が生まれ、福岡という街をより大好きになり、福岡のタレントさんたちやテレビ局関係者さんのテレビ愛を深く実感し、また札幌でも頑張ろう!という気持ちで帰ってきました。

 福岡空港では、博多通りもんや、めんべい、角煮まんじゅうやら柚子胡椒を山ほど買い込み、いくら散財したかわからないほど。

 そう、出張って経済活動も活発になるのよね。

 いろんな意味で今の日本にもう少しあってもよいのは「移動を伴うダイレクトコミュニケーション」なのかも。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。
現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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