フジテレビには医療ドラマの名作が多い。特に1999年に第1シリーズが放送された『救命病棟24時』は、毎週月曜よる9時から放送されている新作で第6シリーズとなる。


 松嶋菜々子と江口洋介による頼もしいW主演が、27年もの長期シリーズを可能にしている。江口にとっては、正義の医師キャラを確立していくターニングポイント的な作品でもあった。

 待望の新シリーズ放送を機に、フジテレビの名作医療ドラマを振り返ってみるのもいいかもしれない。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

フジテレビの看板ドラマに江口洋介あり!

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 1986年の俳優デビュー以来、40年もの長きにわたって主演クラスであり続けるというのは本当にすごいことだ。江口洋介の初期は何と言っても、フジテレビの名作ドラマでその礎を築いたところが大きい。

『東京ラブストーリー』(1991年)、『101回目のプロポーズ』(1991年)、『愛という名のもとに』(1992年)など、歴史的な作品に出演を重ね、1993年には『ひとつ屋根の下』で連続ドラマ初主演を果たした。まさに、フジテレビの看板ドラマに江口洋介あり!

 1993年というと、1月期に三谷幸喜脚本の医療ドラマ『振り返れば奴がいる』が放送された年でもある。フジテレビは実に多彩な医療ドラマを放送してきたが、1999年放送の江口主演ドラマ『救命病棟24時』もまた、代表的な作品の一つだ。

正義の医師キャラを確立した『白い巨塔』

 数あるフジテレビ医療ドラマの中でも、特に人気がある『救命病棟24時』は、第1シリーズから第5シリーズ(2013年)まで火曜9時枠で放送された。それが現在放送中の待望の第6シリーズになって、いわゆる「月9」枠での放送になった。

 同シリーズの他にも、山下智久主演ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズもやはり圧倒的人気を誇るが、こちらも1st seasonが木曜劇場枠での放送だったのに対して、2nd season(2010年)と3rd season(2017年)が、月9ドラマとして放送されている。

 こうした医療ドラマの放送枠の変遷は興味深いものだが、月9に負けず劣らずのブランド力で、2000年代は特に『Dr.コトー診療所』シリーズなどの医療ドラマに力を注いだ木曜劇場の威力もなかなか凄まじいものがある。江口にとっては正義の医師キャラを確立した『白い巨塔』(2003年)を抜きに語るわけにはいかないだろう。


松嶋菜々子とのW主演で一石を投じる座長感

フジ看板ドラマに出ずっぱりだった58歳俳優。27年ぶりカムバックの“人気医療ドラマ”で見せる貫禄
『救命病棟24時』(フジテレビ)公式サイトより
 山崎豊子原作、井上由美子脚本、唐沢寿明主演という看板だらけの『白い巨塔』は、国立大学医学部を舞台に、医師たちが熾烈な権力闘争を繰り広げる。

 人間関係の縮図そのものであり、唐沢演じる主人公の第一外科助教授・財前五郎が是が非でも教授の座を掴みにいくのに対して、江口演じる同期の第一内科助教授・里見脩二は、患者第一の正義感という明確な対立構図が面白いの何の。

 2人は互いに一目置き、尊敬し合っているが、根本的な価値観が当然違いすぎる。直属の上司である医学部長・鵜飼良一(伊武雅刀)からも煙たがれているというのに、里見はとにかく正義を求め、財前に正論ばかりぶつける。彼の口癖「おい、財前」は常に抗議の声であり、「なぁ、財前」はいつも人間的な諭しの警句なのだ。

 そんな里見にも強い味方は少なからずいて、病理学科教授・大河内清作(品川徹)は、第6話で「私も医学部に一石を投じるつもりだ」と鼓舞した。このセリフのカッコよさは今でもまったく古びていない。

 このセリフを思い出すと、第6シリーズから月9枠での放送となり、松嶋菜々子と江口洋介のW主演による頼もしい座長感あふれる『救命病棟24時』が、テレビドラマの世界に一石を投じてくれるのではないかと期待してしまう。

 実際、第1話ラストには、まさに2人の座長による素晴らしいセリフの応酬が用意されている。

 場所は夜明けの屋上。江口演じるアメリカ帰りの敏腕救命医・進藤一生に、かつては彼のもとで学び、今は病院を切り盛りする立場になった小島楓(松嶋菜々子)が聞く。「どうするんです?」。
彼は答える。「どうするかなぁ」。

 こうした単純な掛け合いにこそ、むしろ、27年もの歴史が宿っている。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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