これほど切られてまだ動く…だと?強みは驚異の”損傷耐性”。今までの破壊手段が通用しない「まるで悪夢」な「不死」のロボットがSNSで話題だ。
アメリカの研究チームが、棒状の”脚”でひたすら動く、野外対応の自律型モジュールロボットを開発した。
その最大の特徴は、レゴブロックのように組み合わせてロボットにでき、たとえ一部を失っても動くこと。だから「壊れず」「死ぬ」こともない。
見ためは奇妙なAI設計だが、動きはなんと動物のよう。調整なしで動き出し、すぐ体勢を立て直す敏捷性や柔軟性まであわせ持つ。
砂や草地や泥の上でも突き進む。いわばロボット界の最強新種の誕生だ。
この研究の査読済み論文は、学術誌 『PNAS[https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2519129123]』(2026年3月5日付)に掲載された。
単体で動き、合体ロボにもなる新型モジュラーロボット
こちらがノースウェスタン大学のエンジニアが開発した「脚付きメタマシン」という新型モジュラーロボット。
その見ためは一般的なロボットとまったく違う。
大きさは50cmほど。球体と両サイドの細長い棒状の”脚”パーツから成り、回路基板やバッテリー、モーターなど必要なものは球体内に収まっている。
実はこれ、たった1体でも動き、跳ね、前進もする完全な自律型ロボット。
と同時に、組み合わせれば「ロボット」になる。その際は全体のモジュール(部品)として動作する。
1体のときは単体のロボットとして、集合体のときは合体ロボの一部として機能。この仕組みが驚異の”損傷耐性”を可能にした。
AIにより”進化”した奇妙な形態
各モジュラーロボット同士は スナップ式のドックでつなぐ。接続部分は 18か所あり、5個つなげるだけでも数百億通りの形態が構成できる。
そこで研究チームは、AIの進化的探索を使い、その膨大な組み合わせを最適化した。
するとAIが人間の想像をはるかに超えた、異様な“新種”を生み出した。
AIらしい独創的な組み合わせにより、見ためこそは奇妙でも、以下のような自然界の動物の動きを模倣して前進するロボットが次々生まれた。
- アザラシのように体を上下させる這い方
- トカゲの身のくねりと跳ねるような走り方
- カンガルーのように弾みをつけた移動
まるでコンピュータ内で進化を遂げたように、モジュラーロボットで構成された個性的なロボットが現実世界に“誕生”したのだ。
外でも“ゼロ調整”で始動
動物の動きをマネる合体ロボは野外に対応。砂、草、泥もなんのその。レンガ舗装や木の根があってでこぼこの地面だろうと調整なしでそのまま進む。
チームによると、彼らが試験的に組み上げた3本足、4本足、5本足の合体ロボも、外に出した途端、手動の再調整などしないうちに宙返りやをジャンプを始めた。
その機動力にも目を見張るが、それだけではない。このロボットは、内部センサーという特殊な“身体感覚”で、多くのロボットが苦手とする環境を自ら克服していく。
たとえひっくり返されても、現在の状況を察知。そこから自力で起き上がる。
一方で、多くの生物が持つ視覚や聴覚はない。それでも“異常”だけは確実に感じ取ることができる。この研究を率いたロボティクス研究者のサム・クリークマン氏はこう語る。
目も耳も鼻もない。でも、転んだことはわかる。行き詰まったこともわかります
合体ロボットの真価。動き続ける“損傷耐性”
これだけでも驚異だが、この合体ロボットの真価はやはり、破壊されても止まらず前に進むこと。脚が1本、2本、と次々失われても、さらには 脚1本だけになっても 動けるのだ。
たとえどこかを断ち切られても、すぐに残りのモジュールロボットが前進を続けるように動くため、歩行不能に陥ることがない。
彼らはまるで、最初から壊れたことなどなかったように、どんな状態でも“動ける形”を探し続ける。ロボット工学ではほぼ前例のないしぶとさだ。
普通なら致命傷になるような大きな損傷を受けても耐え、他のロボットなら”死ぬ”場面でも動き続けます
ひっくり返されても、本能的に起き上がって進み、半分に切断されたり、切り刻まれてバラバラになっても生き残り、たとえ分離されても各モジュールロボットがそれぞれに”エージェント”として動くでしょう
このロボットは周りの状況を感知して、場所から場所へと移動でき、自ら計算して学習もします
軽量で交換しやすい設計で、無限につなげられる
モジュラーロボットの素材は主に、3Dプリントされた樹脂パーツ。モーターやバッテリー、基板などは、市販レベルの電子部品で、特殊な素材は使われていない。
つまり軽量で壊れても交換しやすい。
また関節は1自由度(1軸回転)だけのシンプルなもの。それでもジャンプ、回転、ひねる動きなど多彩な動きができる。
前述したように、今回チームは合体ロボの設計を最適化するため、AIの手を借りた。
だがもし量産されれば、誰でもレゴ感覚で自分だけのロボットを作る時代が来るかもしれない。接続できるロボット数は無限というから、これで巨大なロボットを作ることもできそうだ。
「人類滅ぼすやつ」「次はナノ化」の声
この研究はSNSでも話題となり、同大学が2026年3月7日公開した動画の再生数は2万8千回を超え、海外ユーザーからはこんな声が寄せられている。
- そのロボットのチタン合金バージョンが時速25kmで追ってくるんだろ?こっちが脚を2本もぎ取っても頭を潰しに来るような素敵な未来が楽しみだ
- ベイマックスの“マイクロボット”みたいだけど、こっちはデカいな
- 前は“まだ役に立たない”って言われてたけど、今も相変わらずか。要は「もっと研究費くれ!」ってことね
- ロボット開発者:「悪夢みたいなロボットを作ってみよう!」
その結果がこれ…- Redditで読んだ「ロボットが人類を滅ぼすホラー短編」を思い出したわ
ロボットがロボットを作り始めるんだけど、必要最低限のシンプル構造で、人間が考えるデザインとは全然違うやつ- メタルギアに出てくる三脚兵器まんまや
- 地雷除去に役立つのでは?
- 三本脚の歩き方、カエルアンコウっぽいな。
水中バージョンが出たらめちゃくちゃカッコいいと思う- 次にナノバージョンが出て、まず俺らの血管をきれいに掃除をしてくれるんだろ?そこからパテみたいに加工されちゃう未来が待ちどおしいな!
タフで”死なない”ロボットが現実に
視覚も聴覚もないロボットから成るスーパータフな不死のロボット。確かに斬新な構造だ。
動き自体は遅くても、いつまでも追ってくるとか、何度壊しても動きを止めずに追ってくるとか、フィクションではおなじみの敵に回すとやっかいなやつ。
なおクリークマン氏によると、組み立て、修理、再設計や再結合も素早くでき、組み上った合体ロボは、不安定な環境でも即座に自力で移動するそう。
この仕組みなら、探査ロボットも行けないような過酷な場所にも行けるようになるかもだ。
個人的には、トランスフォーマー的な合体ロボや、ポリプの集合体のサンゴのような群体生物を連想したわけだけど、リアルは想像の斜め上だな。
イメージとかけ離れてても、ジタバタ動く絵面が妙に可愛かったりもする。こうした研究から”不死”というか、故障知らずのロボットが発展したりするのかな。
References: Interestingengineering[https://interestingengineering.com/ai-robotics/bizarre-legged-robots-that-self-repair] / Techxplore[https://techxplore.com/news/2026-03-robots-ai-evolves-legged-metamachines.html#google_vignette]











