同じ傷を負ったもの同士が、偶然がもたらした出会いで、運命を大きく変えた。もちろん良い方向にだ。
アメリカ・マサチューセッツ州の野生動物救護施設に、車にはねられて負傷した2羽のカナダガンが別々に運び込まれた。
偶然同じ部屋に置かれた2羽はたちまち惹かれ合い、片時も離れようとしなくなった。
社会性の高いこの鳥は、孤独な状態に置かれるとストレスで症状を悪化させることがあるが、心を通わせる相手がいれば回復力が上がることもある。
2羽ノカナダガンは共に支えあい、無事に回復を果たした。そして一緒に野生へ帰れることになったのだ。
車にはねられた2羽のカナダガンが別々に施設に運ばれる
マサチューセッツ州にあるニューハウス野生動物救護施設に、メスのカナダガンが運び込まれた。車にはねられて脚を骨折しており、スタッフは患部に包帯を巻いた後、部屋の中の囲いの中で安静にさせた。
それから約1週間後、今度はオスのカナダガンが運ばれてきた。
こちらも車との接触で脚を痛めており、かなり衰弱した状態だった。
スタッフはオスを治療した後、酸素濃度を管理できる透明な保育器の中に入れて様子を見ることにした。その保育器は、図らずもメスが療養している部屋と同じ場所に置かれた。
オスの前から離れなくなったメス
広い室内を自由に動き回れるにもかかわらず、メスは保育器のそばへまっすぐ歩いていき、そこに座り込んだ。
施設の創設者ジェーン・ニューハウスさんは、心が温まる光景だったと話す。2羽は仕切り越しに静かに向き合い続けている。
メスはその後も、ほとんどの時間を保育器のそばで過ごした。
スタッフはメスのために餌と水を保育器の近くに運んだ。そこから離れようとしないメスの気持ちを、スタッフたちは自然と汲み取っていたのだ。
愛情が孤独を癒し、2羽の回復を早めた
カナダガンはもともと社会性の高い鳥で、仲間とのつながりが生死に関わることがある。
1羽だけで過ごす孤独な状態が続くと強いストレスを抱え、それが体の回復を妨げ、最悪の場合は命を縮める原因にもなる。
逆に心を通わせる相手がそばにいるだけで、ストレスが和らいで回復力が高まることがわかっている。
ニューハウスさんは、仲間との絆が身体的にも精神的にも回復を後押しし、時に命を救うことがあると語る。
同じ境遇を持つ者同士の偶然の出会いが、運命の糸を手繰り寄せ、幸せな方向へと進んでいった。
2羽にとってどれほど大きな支えになっていたか、その後の回復の速さが物語っていた。
無事回復を果たした2羽は、そろって野生へ帰る予定
数日後、オスの体調が安定し、保育器から出られるほどに回復した。仕切りを隔てず初めて直接向き合った2羽は、これまで以上に離れない関係になった。
カナダガンは一夫一妻制でとても愛情深い。
渡りの季節にはパートナーと並んで空を飛び、地上では家族単位の群れをつくって暮らす、絆を大切にする鳥だ。
今は施設の屋外の囲いの中で療養を続けながら、2羽の絆はさらに深まっていくことだろう。
完全に回復したら、2羽を一緒に野生へ戻す予定だという。
今度は大自然の中、仲良く大空を舞うことだろう。もしかしたら子供たちを引き連れてこの施設に遊びに来てくれるかも。
References: Newhousewildliferescue[https://newhousewildliferescue.org/]











