生成AIによってビジュアル制作のスピードは飛躍的に向上しました。しかし、実際の現場では「企画の打ち合わせでイメージをうまく共有できない」「そもそも方向性が固まらない」「クライアントとのイメージ共有に時間がかかる」といった、企画段階ならではの悩みが依然として大きな課題になっている。


第1回では、クリエイターのコネクリさんがAdobe Fireflyボードを活用しながら、“企画初期の合意形成”をどうスムーズに進めるかを実践的に解説。言葉だけでは伝わりにくいイメージを、生成AIでどのように可視化し、チームやクライアントとの認識を揃えていくのか。そのリアルなワークフローに迫ります。

目次

なぜ企画にムードボードが必要なのか

ムードボードとは、色彩・質感・スタイル・雰囲気といった視覚要素を集めたプロジェクトのビジュアルコンセプトだ。目指す世界観を言葉だけでなく、目に見える形として定義できる点が最大の強みといえる。

企画フェーズを変える生成AI活用術——Adobe Fireflyボードでムードボード制作を効率化する
コネクリ氏が示すムードボード制作のメリットは、以下の3点だ。

1. 目指すべき完成形のイメージがクライアントやチームメンバー間で共有できる
2. 方向性が共有されて手戻りが減ることにより制作時間が短縮される
3. 制作が効率化されアイデアの創出や細部のブラッシュアップに時間を割けることによりクオリティーが向上する

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Fireflyボードがムードボード制作を変える5つの理由

Fireflyボードは、生成AIをフル活用しながらアイデアをキャンバス上で視覚的に展開できるツールだ。テキストプロンプトによる画像や動画生成からAdobe Stock連携まで、発想から共有までを一気通貫でこなせる点が特徴といえる。

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コネクリ氏が挙げる、Fireflyボードをムードボードに活用する具体的なメリットは以下の5点だ。

1. 言語化しづらいイメージを AI が形にしてくれる
2. アドビモデルだけでなく、パートナーモデルが使えることによる拡張性
3. キャンバス上で複数の画像を組み合わせてリミックスすることで新しい着想を探れること
4. 直感的に誰でも使える柔軟な操作性
5. 共有や共同作業をシームレスにできるコラボレーション

コネクリ氏がムードボードの作成手順として示したのが下の画像だ。ビジュアル要素の収集からはじまり、アイデアの展開、整理、そして共有・連携へと進む流れが整理されている。

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「ビジュアル要素の収集」フェーズでのFireflyボードの強みは、既存素材のアップロードにとどまらず、AIによる素材生成やAdobe Stockからの直接検索が可能な点だ。「アイデアを広げる」フェーズでは、生成AI機能を使って収集素材をリミックスしたりバリエーションを生成したりと、アイデアを手軽に拡張できる。

「アイデアの整理」フェーズでは、テキストやシェイプ、アートボード機能を駆使して素材を整理し、プロジェクトの方向性を明確にする。
最後の「共有と連携」フェーズでは、メンバーへのボード共有でフィードバックを収集しながらデザイナーとのアセット制作へと移行する。デザイナーはプロンプトで生成AIをアセット編集に活用することも、Photoshop web版などのツールに素材を転送することも可能だ。

実践:カフェのロゴ制作ムードボードをFireflyボードで作る

コネクリ氏は、架空のカフェ「Wip Coffee」のロゴ制作用ムードボードという設定で、Fireflyボードの実践的な操作を実演した。下に示すのがそのムードボードの全体像だ。左にはテキストで記述されたプロジェクト概要、中央には収集・展開されたビジュアル要素のグループ、右には生成されたロゴタイプとロゴシンボルの一覧が並ぶ。

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以下では、FireflyボードでAdobe Stockの素材をもとに新しいビジュアル要素を作成するコネクリ氏の手順を追う。

Fireflyボードの検索機能からはAdobe Stockの無料素材に直接アクセスでき、検索フィールドでアセットを絞り込むことも可能だ。下の画像は「coffee」と入力した状態で、画面右側にアセットのサムネイルが一覧表示されている。右上の拡張アイコン(赤丸部分)をクリックすると全画面表示に切り替わり、アセットを選びやすくなる。

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右列の上から2番目のコーヒーカップ画像を選んでキャンバスに配置する。Adobe Stockのページを行き来する必要がないのが便利な点だ。配置後、画像右のハンドルを左に引いて不要な領域をトリミングした状態が下の画像だ。

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続いて、この画像を生成AI機能で水彩画風に加工する。
「画像を生成」を選択し、プロンプトに「水彩画風のコーヒーカップ」と入力したうえで、モデルをFirefly Image 4に設定する。

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「構成」をクリックし、カーソルがスポイトに変わったら、Adobe Stockから配置した画像をクリックする。これで「構成」の参照画像として読み込まれる。

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「生成の設定」をクリックすると画面右側にパネルが開き、詳細な設定が可能になる。「構成」にある「適応度」スライダー(赤枠部分)を右端に移動すれば、生成画像の構図を参照画像に最大限近づけることができる。仕上がりの方向性を細かくコントロールしたいときに活用したい設定だ。

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この状態で生成ボタンを押す。Firefly Image 4までのアドビモデルでは一度に4枚の画像が生成されるのが大きな特徴で、パートナーモデルは1枚のみ生成される。またFireflyボードは生成処理中に別の生成を並行して実行できるため、思考を止めることなく次の作業へとスムーズに移れる。

生成された画像から1枚を選択する。

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皿の周囲に散らばるコーヒー豆は不要なため削除する。画像を選択した状態で「画像を編集」→「削除」を選択すると、ブラシで除去したいオブジェクトを塗りつぶす操作ができる(赤丸部分が塗りつぶした領域)。


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「削除」をクリックすると選択領域がきれいに除去されるので、「保存」を押して確定する。この一連の操作で、新しいビジュアル要素が一つ完成した。

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次の例を見ていこう。下の画像は、パートナーモデルを使ってロゴシンボルを生成したものだ。左のベクター風モノクロビジュアルを参照素材として、コーヒーカップのロゴシンボル案を生成している。

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別案が必要な場合は、バリエーションをまとめて生成できる。画像を選択した状態で「バリエーションを生成」を選ぶと、一度に16個のバリエーションが生成される(下画像)。提案用に複数案を素早く揃えたいときに重宝する機能だ。

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Fireflyボードでは、生成済みの画像からプロンプトを逆引きすることもできる。画像を選択した状態で「読み込み」を押すと、生成に使われたプロンプトやその他の設定が読み込まれる。

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コネクリ氏は画像内のテキストを編集する機能も紹介した。画像を選択し、「編集」メニューから「画像内のテキストを編集」をクリックすると、画像内の文字が抽出されて編集可能な状態になる。


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下の画像は新しいテキストを入力した状態だ。生成ボタンをクリックすると、AIが元のフォントに近い特徴を持つ文字を生成する。

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フォントの利用には規約が伴うのが一般的なため、この機能はディレクターがデザイナーにビジョンを伝えるなど、チーム内でのイメージ共有を目的とした活用が安全な使い方といえる。

コネクリ氏が最後に示したのは、クライアント提案用に生成されたモックアップ画像だ。一連の操作を通じて、アイデアの種からリアルな提案ビジュアルまで、Fireflyボード上でスムーズに展開できることが示された。

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AIとの高速な壁打ちが、企画とチームを動かす

コネクリ氏の実演が示すように、Fireflyボードでムードボードを作成すれば、素材収集にとどまらず、その場での新規生成・バリエーション拡充・チーム共有までを一つのキャンバス上で完結できる。「まずAIに壁打ちしてみる」という制作習慣が、企画フェーズの質とスピードを底上げしてくれるはずだ。

普段ムードボードを制作していないクリエイターこそ、まずはFireflyボードにラフなアイデアを並べてみてほしい。AIが素材を補い、チームでの方向性合意もスムーズになる——その感覚は、一度使えばすぐ実感できるはずだ。

なお、Fireflyの利用には生成クレジットが必要です。現在の生成クレジット残量は、アドビのヘルプページから確認できます。
●残りの生成クレジット数を確認する方法を教えてください。
| 生成クレジットに関する FAQ
その他の生成クレジットに関するよくある質問は、こちらのページをご覧ください。
●生成クレジットに関する FAQ

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