BLアワード2021の投票結果が発表されました。本記事では「コミック部門」「シリーズ部門」「次に来る部門」など各部門の結果をご紹介します。

『オールドファッションカップケーキ』や『ギヴン』は何位?

年に一度、その年の人気BL作品を発表するランキング「BLアワード」。12の部門を設け、それぞれの部門で輝くBL作品を読者投票で決定しています。

2021年度の有効投票数は11,367。2009年の第一回から約30倍に増え、各部門の上位作品 が次々に映像化するなど注目度が高まっています。

BLアワードで投票している「腐女子」のユーザーは趣向も世代も様々ですが、一体どんな層がどんな作品に投票しているのでしょうか? また、どのような方向性の作品がランクインしやすい傾向があるのでしょうか。
BLアワード2022の実施を前に、2021年度の投票結果からユーザーの好みや投票行動を読み解きます。

本記事では、「コミック部門」「シリーズ部門」「次に来る部門」の3部門をご紹介。それぞれの投票結果を世代別にご紹介していきます。
BLアワード2021が発表!いま最も人気の作品はこれ。世代別...の画像はこちら >>

『オールドファッションカップケーキ』(HertZ&CRAFT) 画像

via 『オールドファッションカップケーキ』 (HertZ&CRAFT) より

コミック部門 世代別投票順位

まずはコミック部門。
BLアワードの花形とも言える部門で、その年に発売されたBLコミックスの中から最も読者投票数が多かった作品を選出します。BLコミックは基本的に1巻で完結する作品が多いため、この部門にあたる作品が最も多く、ランクインするのが難しい部門になっています。世代別の投票結果がこちら。
全ての世代で『オールドファッションカップケーキ』(佐岸左岸/大洋図書)が1位という結果でした。


2位以下については、20代以上の順位が似た結果に。
10代の3位『夢ならどこまで許されますか?』(百瀬あん/三交社・メディアソフト)、5位『オンラインゲーム仲間とサシオフしたら職場の鬼上司が来た』(ん村/一迅社)は10代のみでのランクイン。他の世代よりも少し軽めのタッチで描かれた明るい作風の作品が好まれるようです。

全ての世代で1位を獲得した『オールドファッションカップケーキ』は、ストーリーや設定もさることながら繊細な絵柄や細かな日常生活の描写も支持される理由の一つでした。

2020年はコロナ禍の影響か「癒し系の作品」「何気ない日常を描いた作品」が世代を問わず人気を集めた1年。そういった傾向を象徴する作品だったと言えそうです。
BLアワード2021が発表!いま最も人気の作品はこれ。世代別の傾向を分析すると…

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シリーズ部門 世代別投票結果

続いて、シリーズ部門。
「その年に2巻以降が発売された作品」がノミネート対象です。
そもそも2巻以上続く作品が少ないBLコミックス業界。2巻以降が発売されている作品には、すでに熱心なファンがついていると言えます。世代別の投票結果は、ゆるやかなグラデーションになっています。

10代、20代では『ギヴン』(キヅナツキ/新書館)、20代、30代では『セラピーゲームリスタート』(日ノ原巡/新書館)、40代、50代では「blanc(同級生シリーズ)」(中村明日美子/茜新社)が人気を集めていました。

注目すべきは、1巻が2014年に発売された『ギヴン』が10代、20代からの支持を集めている点でしょう。

若い世代ほど新しく始まったシリーズものを読んでいる、ということではなく、あくまで作風で、世代ごとに好まれる作品が異なるということが言えそうです。
BLアワード2021が発表!いま最も人気の作品はこれ。世代別の傾向を分析すると…

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次に来るBL作品部門 世代別投票結果

「次に来るBL作品部門」は、前年までにBLアワード20位以内のランクインがなく、商業デビューからおよそ2年以内の作家の作品から選ばれる部門です。比較的新人に近い作家の作品のみがノミネートされるこの部門。
「作家のファン」の投票が少なく、純粋な年代ごとの好みの傾向が現れやすい部門でもあります。投票結果には、過去のBLアワードの投票結果や普段のちるちるでのレビュー傾向でも言える、2つの特徴が顕著に現れていました。

1つ目は、40代以上が「日常もの」を好みやすい点。
これまでのBLアワードでも、40代以上の世代には過激な描写や読む人を選ぶ設定が含まれるビビッドな作品よりも、ほのぼのとした日常を描いた作品が好まれる傾向がありました。

『マスク男子は恋したくないのに』(参号ミツル/リブレ)が主人公と同世代の10代だけでなく40代以上でも1位になっているのは、そういった傾向を表していると言えそうです。

2つ目は、20代、30代に過激な描写や読む人を選ぶ設定が含まれるビビッドな作品が好まれやすいという傾向です。

『歌舞伎町バッドトリップ』(汀えいじ/リブレ)は過激な性描写も含まれる作品。20代では1位でしたが、40代以上では5位以下という結果でした。
BLアワード2021が発表!いま最も人気の作品はこれ。世代別の傾向を分析すると…

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投票へのモチベーションは?

BLアワード2021が発表!いま最も人気の作品はこれ。世代別の傾向を分析すると…

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昨年は、日常を描いた作品やほのぼのとした作品が全体的に人気な傾向にありました。
今年は、特に後半に入ってからは特にエッジの効いた作品が多く、ファンタジーや特殊設定の作品も人気を集めています。BLアワードは、読者による作品への評価と投票でノミネート作・受賞作が決まります。

11月からは「BLアワードアテンション期間」として、ちるちる上や公式SNSでもユーザーに「評価」を呼びかけ、アワードが盛り上がるように様々な働きかけを行っていきます。

上記の分析結果は、11月4日(木)13時に開催する無料ウェビナーでも取り上げる予定です。
さらに詳しい内容をお聞きになりたい方はぜひご参加ください。
ウェビナーのお申し込みはこちらからとなります。
https://sandias.jp/seminar/

講演名:BLアワード2022 予測と対策~ユーザー投票分析から見えた意外な事実~
形式:ZOOMウェビナー(Webセミナー)
講師:井出洋 株式会社サンディアス代表取締役社長
日時:2021年11月4日(木)
時間:午後1時から約1時間
参加費:無料
定員:100名
オンラインセミナーのお申し込み締切:2021年11月4日(木)午前10時
※オンラインセミナー視聴用の配信URLや講演内容のSNSなどへの投稿はお控えください。
HP:https://sandias.jp/

【BLコミック動画】BLアワード2021 BESTコミック部門 第1位『オールドファッションカップケーキ』佐岸左岸

via www.youtube.com【BLアワード概要】
対象作品: (巻末に記載された)発売日がその年の1月1日~12月31日に発売された紙書籍BL関連作品。また1月1日~12月31日に発売された電子書籍の単行本。
部門:コミック・小説・CD・声優・攻め・受け・次に来る(新人)・エロティック[s1] ・ディープ・シリーズ・表紙デザイン・映像(ノミネート制)
※部門は今後変更になる可能性もあります。
投票期間:(2021年度の場合)1月29日~2月7日 ウェブ投票のみ受付
投票資格:ちるちるに会員登録されている方(会員登録無料)
結果発表:(2021年度の場合)4月2日(金)

【BLアワードとは】
BLアワードとは、2009年より株式会社サンディアスがBL情報サイト「ちるちる」で行っている年に一度の“商業BLの祭典”です。ちるちるのユーザーによるサイト上での評価ポイントとweb投票ポイントで、各部門の順位を決定します。2022年度も同時期の開催を予定しています。

■サンディアスについて
会  社   名:株式会社サンディアス(https://sandias.jp/)
本       社:東京都渋谷区渋谷3-6-6渋谷パークビル2階
代  表   者:代表取締役社長 井出洋
設       立:2007年11月26日
事 業 概 要: 商業BLのマーケティング、イベント企画、サイト制作、システム設計、及びコンサルタント。

「BLソムリエ powerd by AI」、商業BLの祭典「ちるちるフェスティバル」7月開催、声優朗読劇「Chill Chill Box」等、幅広いサービスを提供。
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