「5日間、日の出から日没まで、炎天下をずーっと歩いていたので、体力的にきつかったっす。私はけっこう潔癖症で、しかも敏感肌なので、汚い服を着るのも、汚い軍手でキャップを取ったペットボトルに口をつけるのもつらかったです。夜はホテルに着いたら拾った服をすべてビニール袋に入れて、朝起きたらまたそれを着て……」
あくまでも仕事なのに、ロケバスでは「このバスくせえなあ」と言われるなど、大変な思いをしたあかつ。「花見のゴミを集めて桜前線と共に北上すればそのゴミで作った舟で津軽海峡渡れる説」では、もっと大変な事件があったそうだ。
「私が船と船に挟まれそうになった瞬間、ディレクターさんは私が死んで、『あ、この番組終わる』と思ったらしいです。私は力に自信があるので、船を押し返せると思ったんですけど全然無理でした。(中略)あの企画で一番つらかったのは、ゴミを拾うことや船を作ることよりも、津軽海峡を渡れなかったことですね。私もスタッフさんも全員本気で渡るつもりだったので、スタッフさんがすごく落胆してしまって、あの日は夜ご飯の席がお通夜みたいでした」
このほか、ゴミ屋敷で探しものをする企画(「ゴミ屋敷の住人、意外と何がどこにあるか把握してる説」)にも参加したあかつは、「ゴミ芸人!」と、声をかけられることもあるのだとか。これまでは「いい人」「優しい人」と言われることが多かったものの、過酷なロケでは口の悪さが顔を覗かせるようになってしまったのが、もっぱらの悩みだそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.134(2017年10月24日発売/太田出版)