宮崎駿監督に「君たちはどう生きるか」と問われた時に考えてみた。できれば死ぬ時まで笑って生きたい。

 生を問われても死を思い描いてしまう。常に表裏一体の生と死。この映画は、そんな死に向かって生きる人間への、優しいエール。
 物語は、香港のお葬式で行われる「破地獄」という死者を地獄から救い出す儀式を中心に、葬儀を取り仕切る葬儀屋、破地獄を取り仕切る道士の心の交流を描いていく。ただこの映画の1番のキーパーソンは、救急救命士をしている道士の娘。憧れの父のように道士になるのが夢だったが、女性だという理由で道は閉ざされた。
 職場で命の消えゆく瞬間に立ち会う度に激しく心を痛める彼女は、誰よりも「死」と向き合うことが苦手だった。彼女の魂が救われる瞬間、この映画は最高のクライマックスを迎える。
(桜坂劇場・下地久美子)
◇桜坂劇場で上映中
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