融和ムードに包まれた会談ではあったが、両首脳の関心は対照的だった。
イラン情勢でつまずき、支持率も降下の一途。11月の中間選挙をにらんでトランプ米大統領は経済・貿易面のディール(取引)を重視し、目の前の実利を得ることにこだわった。
米大手企業のトップを同行させ、中国の習近平国家主席に紹介したのはその表れだ。
会談後、トランプ氏が成果として取り上げたのも、米国産農産物や航空機の購入合意など貿易に関するものだった。
習氏がこだわったのは、米国との「対等な関係」を確立すること、両国関係を安定化させることだった。
会談冒頭、習氏は米中は「パートナーとして共に栄えるべき」と語っている。
短期的な目前の利益を米国に譲り、長期的な戦略に基づく国益を確保するという考え方だ。
個別事案で中国が最も重視したのは台湾問題である。
習氏は台湾問題で米側が対応を誤れば「関係が危険な状況に向かう」と強い言葉で警告した。「台湾独立と台湾海峡の平和は相いれない」とも語った。
トランプ氏は、記者団から台湾問題について聞かれても無言を貫いた。そばに習氏がいたために遠慮したのかもしれないが、米中に温度差があるのは明らかだ。
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米国はこれまで、現状維持を重視する観点から、台湾独立を支持しない、との立場を堅持してきた。
何を言い出すか分からないトランプ氏は、ディールを成功させるため「支持しない」という方針を改め、「反対する」という明確な主張に変えるのではないか。
台湾当局や日本には、トランプ氏の「心変わり」を懸念する声が絶えなかった。
ルビオ米国務長官が米メディアに対して、台湾政策に変更はないと答えたものの、トランプ氏本人は政策維持を明確にしていない。
今回の首脳会談でちらついたのは、米中2大国(G2)が国際秩序を管理していくという考え方である。
だが、G2論は強者の論理が優先される懸念がある。台湾の人々がどう考え、何を望んでいるか。それが議論の前提でなければならない。
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首脳会談で習氏は「中米間の共通の利益は、意見の違いを上回る」と主張し、トランプ氏も「米中は完全に互恵的になる」「関係はかつてないほど良くなる」と指摘した。
ここには、日米が中心になって中国を包囲し対抗する、というような敵対的な発想は感じられない。
米中が合意した「建設的戦略安定関係」の構築に、日本はどのような姿勢で臨むのか。
9月には習氏が訪米し、米国で首脳会談を開くことになっている。

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