賭け事にのめり込み、日常生活に深刻な支障をきたすギャンブル依存症。東京都内に暮らす男性(30)は、いつの間にか足を踏み入れていた。

 10年前のことだ。当時20歳。神奈川県箱根町のホテルで働き始めて間もなく、職場の先輩にパチンコ店へ連れて行かれた。
 勝手が分からないまま、好きなアニメのスロット台に座って千円札を数枚入れると、数時間後には2、3万円になって戻ってきた。
 「ビギナーズラックだった。楽して稼げる感覚で、すぐにハマっていった」
 20万円の給料はすぐに消え、職場の同僚や消費者金融から借金をする日々。ホテルを辞めて地元の沖縄県に戻った2019年秋には、借金が180万円に膨れ上がっていた。金を返さなければと追い立てられるように賭け事をして、また負けを繰り返す悪循環に陥った。
 23年にホテルで同僚だった女性と結婚し、沖縄で同居生活を始めても、ギャンブル漬けの日常は変わらない。コロナ禍のさなかにはオンラインの競艇や競馬にもハマった。
 そして気付けば、賭け金欲しさに、働いていた飲食店から売上金を横領。店のオーナーには「警察に突き出してもらっても構わない」と頭を下げて許しを得た。

 ギャンブルを絶つために協力してもらった妻からは「そろそろ限界」だと告げられ、24年末に離婚。25年2月に依存症治療で有名な都内の病院に入院し、約1年間の入院生活を送った。
 今はギャンブルから距離を置き、5月には依存症の自助グループを立ち上げた。
 「まだまだ回復の途中。ギャンブルがまたしたくなるかもしれない」
 自身のためにも、同じ依存症の当事者のためにも、ひとりで抱え込まない環境をつくっていきたいと思っている。

 
■6月14日(日)に沖縄でセミナーや当事者会
 NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会が6月14日、那覇市の「ともかぜ振興会館」で、ギャンブル依存症のセミナーを開催する。家族の会による沖縄でのセミナー開催は初めて。
 依存症当事者や家族による講演、依存症治療に携わる沖縄リハビリテーションセンター病院の犬尾仁医師、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表による講演のほか、薬物依存を経験した俳優の高知東生さんと田中代表によるトークセッションもある。
 セミナー終了後には、当事者と家族の相談会がそれぞれ開かれる。参加無料。家族相談会は予約制で、その他は予約不要。
 家族の会は7月から来年2月までの毎月1回、沖縄県内で当事者と家族の相談会を開催する。
いずれも参加無料、予約不要。問い合わせは家族の会、電話090(6737)8665。
 (社会部・小島弘之)
「警察に突き出されてもいい」 ギャンブル依存で横領・離婚を経...の画像はこちら >>
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