[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](374)
 日本人の2人に1人が中等度以上の歯周病だといわれる。歯周病は自覚症状が乏しく、気付かぬうちに進行する“サイレントキラー”だ。
歯茎の腫れや出血などの小さなサインを放置すると、気付いた頃には歯を支える骨が失われ、治療が難しくなることもある。
 歯周病の進行には三つの条件が関わる。まず、歯周病菌そのものの攻撃性だ。口の中には善玉菌・悪玉菌・日和見菌など700種以上の細菌が存在し、その頂点に立つのが「レッドコンプレックス」と呼ばれる三大歯周病菌である。強い毒性を持つこれらの菌が増えると、炎症は一気に深刻化する。
 次に、本人の抵抗力。ストレスや睡眠不足、加齢による免疫力低下は歯周病の悪化を招く。
 そして三つ目が糖尿病や喫煙などの生活習慣だ。糖尿病は歯周病を重症化させ、歯周病も血糖コントロールを悪化させる“負の循環”を生む。また喫煙は歯茎の血流を悪くし、炎症に気付きにくくするだけでなく、治癒も遅らせる。
 さらに、歯周病が進んだ後に注意したいのが「大人のむし歯」である根面(こんめん)う蝕(しょく)だ。歯茎が下がって露出した根の部分にでき、進行が早く再発しやすい。
高齢期の歯を失う要因の一つだ。
 では、どう予防するか。鍵となるのは「清潔な口」を保つことだ。特に毎日のうがいは手軽で効果的な対策となる。目標は7秒間で10回の“ブクブクうがい”。菌が繁殖する前に物理的に洗い流すことが大切で、長さよりも“強さ”がポイントだ。ブクブクと音がはっきり出るくらい、全力でうがいをするのが理想的である。慣れてきたら上下左右でブクブクするとより効果的。水なしの「エアーブクブク」も、口を閉じやすくするので、口の乾燥予防に効果的だ。
 歯周病も根面う蝕も、見えないところで静かに進行する病気だからこそ、定期検診と日々のケアで早めに手を打ちたい。(米須敦子=米須歯科医院、沖縄市)
日本人の口に潜む“サイレントキラー” 2人に1人が中等度以上...の画像はこちら >>
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