■子どもの頃は、各地の水族館にいたラッコ
今の大人が子どもの頃、ラッコは水族館を代表する人気者だった。水面にぷかぷかと浮かび、お腹の上で貝を割る姿はテレビや図鑑などでもおなじみ。家族で訪れた水族館で、実際にその姿を見た記憶がある人も多いだろう。
鳥羽水族館の飼育史によると、国内のラッコ飼育頭数が最も多かった1994年には、全国28の園館で122頭が飼育されていた。ラッコは一部の施設だけで見られる珍しい動物ではなく、各地の水族館で会うことのできる身近な存在だったのだ。
しかし現在、日本国内で飼育されているラッコは、鳥羽水族館のメイとキラの2頭だけ。日本でラッコに会える施設も、鳥羽水族館のみとなっている。1994年の122頭から、約30年でわずか2頭まで減少したことになる。
■なぜ日本の水族館からラッコが減った?
国内のラッコが減少した背景には、海外から新たな個体を迎えることが難しくなったことや、飼育下での繁殖が思うように進まなかったことがある。
鳥羽水族館では1983年、アラスカから4頭のラッコを迎えて飼育を開始。翌1984年には、日本で初めてラッコの赤ちゃんが誕生し、大きなブームを巻き起こした。
■日本で活躍するラッコ、メイとキラ
現在、鳥羽水族館で暮らしているのは、2004年に同館で生まれたメイと、2008年にアドベンチャーワールドで生まれ、2021年に鳥羽水族館へやってきたキラ。どちらもメスで、同館の人気者だ。2頭が食事をしたり、泳いだり、毛づくろいをしたりする様子は、24時間配信されているライブカメラからも見ることができる。
子どもの頃には、各地の水族館で当たり前のように会えたラッコ。しかし今では、その姿を日本で見られること自体が非常に貴重になっている。「ラッコペディア」は、メイとキラのかわいらしさを楽しめるだけでなく、日本の水族館とラッコが歩んできた歴史や、現在置かれている状況を知るきっかけにもなりそうだ。
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