押切蓮介氏のホラー漫画『サユリ』が、『貞子vs伽椰子』『不能犯』などを手がけた白石晃士監督によって実写映画化、今夏全国公開される(配給:ショウゲート)。本作で主演を務めるのは、オーディションで決まった若手俳優の南出凌嘉。
引っ越し先のとある“家”で起こる不可解な出来事をきっかけに、恐怖のどん底へ突き落とされる神木家の長男・則雄役を演じる。

 南出は、2012年にNHKの連続テレビ小説『純と愛』で俳優デビュー。16年公開の映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』で映画作品初主演を飾った。20年放送のドラマ『姉ちゃんの恋人』では、有村架純演じる主人公・安達桃子の弟・朝輝役に抜てきされたほか、23年の連続テレビ小説『らんまん』では、志尊淳演じる竹雄の少年期を演じた。

 出演情報とあわせて解禁となった場面写真では、暗闇の中、目の前に現れた“何か”に対し則雄は目を見開き驚く表情を見せている。想像を絶する恐怖が待ち受けていることが伝わる印象的な一枚だ。


 主演は『妖怪ウォッチ~』以来約8年ぶり、本格的なホラー映画の主人公に初挑戦した南出は「今回初のホラー映画なので僕自身どう演じればリアルに怖いと感じてもらえるかを一番に意識しました。この作品はホラーでありながら物語としてダークな色があるので、『可哀想』ではなく『怖い』と思っていただくにはどうしたらいいかと撮影中も大きな課題の一つでした。 また、原作がある作品なので、キャラクター像を大切にしたいという思いもありました」と振り返る。

 これまでに映像化された押切作品は、ゲーム×ラブコメの『ハイスコアガール』(現在、月刊ビッグガンガンにて続編『ハイスコアガールDASH』が連載中)のアニメ化や、トラウマ級のサスペンスとして話題を呼んだ『ミスミソウ』の実写映画化などがある。今回の『サユリ』は、“こんな邦画ホラーがあればいいのに…”と考えながら自ら描き上げたそうで、自身の作品の中でも「一番好き」と語るほど、思い入れがあるようだ。

 白石監督は、これまでに、幽霊、呪い、オカルト、モキュメンタリーなど、さまざまなジャンルのホラー作品を数多く手がけてきた、まさに“ホラーを知り尽くした映画監督”。


 白石作品も初参加の南出は「初めて白石監督とご一緒させていただき、僕が迷っている部分や疑問に思っている所に的確なアドバイスをくれるので、作品とともに成長できました。原作を知っている方はもちろんですが、この映画で初めて知る方も楽しめる作品になっていると思います」と話している。