本作は、日本社会が抱える“死因不明”という闇に真正面から切り込み、“遺された痕跡”を手がかりに、隠された真実と故人が生きた証を解き明かしていく法医学ヒューマンミステリー。主人公の変わり者の天才法医学者・水沢真澄(みずさわ・ますみ)を演じるのはディーン。そして真澄が所属するMEJのセンター長で、崖っぷちのエリート官僚・桐生麻帆(きりゅう・まほ)役を瀧内公美が務める。
――役作りで準備されたことを教えてください。
まずはイメージを膨らませるところから始めました。水沢真澄というキャラクターがなぜこうした行動をするのか、一つ一つの選択の裏にある何が彼のモチベーションを読み解いていきました。そこに関しては妥協しなかったですね。
もちろん毎回大切にしている作業ではありますが、特に今回は「普通ならこうなるよね」という流れがあるたびに、改めて真澄という人物に立ち返り「いや、彼はそうならない」ということを提示をし続けていった感覚があります。そして『LOVED ONE』というタイトルが求める答えは今もなお探し続けている部分もありますが、こうあるべきはずだという感覚に導かれるものを大切にしながら、チーム一丸となって妥協せず追い求めています。
セリフに関しては、量も多く難しさもありましたが、それらは全て謎を解いてくために必要なものだと感じています。医学的なの観点から切り込む時もあれば、LOVED ONE(=ご遺体)が生前どのように愛し愛されていた視点から迫る場面もある。そうした両軸から、その人がどんな人生を歩んできたのかを知っていく事で、謎が解けていく構造がこの作品の新しさであり面白さだと思います。
またキャラクターの温かみやピュアさを含めて、単なる説明セリフになったりとか、天才で常人離れしていて有能な人物には絶対にしないようにしたいなと思っていました。
キャラクターの外見や中身も、更にはバックグラウンドも含めて、だからこそこの一言がこう届けられるみたいな。今もまだ、全て針の穴に糸を通すみたいな作業を諦めずにやり抜いている状態ですね。
――水沢真澄を演じる上でこだわっている部分を教えてください。
なぜ真澄がそこまで謎を解くことに対してモチベーションが高いのか。天才だからとか、変人だからとかだけになりがちなんですけど、子どもの時に、何かに強く興味を惹きつけられる、興味みたいなものが誰にでもあったと思うんです。真澄にとっては最初はもしかしたら動物とか虫とかが死んでいるのを見て、どうなっているのかなと興味を持ったところからスタートした結果、その延長線上にある知的好奇心が、事件の真相に向かっている、そのあたりもつじつまをちゃんと合わせられるようにした方がいいなと思ったんですよ。
全てが描ききれるかわからないですけど、常に真澄の、アメリカの時代に何があったのかとか、日本でどうしてこの道を選んだのかとか、その原点になっている子どもの時にどんな体験があったのかを、かなり具体的に掘り下げて、本編のどこをとっても作品のワンシーンになるスピンオフとかエピソードを作ることができるぐらい、今そのイメージが浸透していると思います。
これはチーム内で共有できていると思うし、迷ったことがあったとしても、「真澄だったらこうだよねみたいなのが、全てのフェーズにおいて作れるかどうかだなと思ったので。難しい話になっちゃうかもしれないけど、でも「ちいかわ」の精神は忘れずにみたいな。笑なんか絶妙なバランスですね。
――『LOVED ONE』というタイトルへの思いを教えてください。
第1話の最後のシーンでLOVED ONEを真澄が語る部分がありますが、僕も初めてLOVED ONEという言葉が法医学業界の用語で、「ご遺体」という意味を持っているということを知りました。
ドラマとして、プロジェクトとして、なぜこれを世に届けるのかというプロデュースチームの思いがある一方、ここ数年で、身近な友人が何人か、旅立っていったので、タイミングだなとも思いましたし、今の自分だからこそ向き合える作品だなと思いました。
誰かを愛していた、愛されていたところの、その生きた痕跡にまで踏み込んでいくっていうのが、2倍大変ではあります。ただやっぱり医学の部分と、捜査権を持つ「MEJ」という特殊な角度で、命のテーマと向き合っていくっていうことはパーフェクトなタイミングだなって思っていますね。
だから今、キャラクターを作っていても、すごく充実感のある日々ですし、LOVED ONEという言葉に引き寄せられたんだなって。1日1日手応えを感じながら、皆さんの創意工夫みたいなものもある中で、前に進んでいると思っています。
――バディを組む瀧内公美さんの印象を教えてください。
公美ちゃんの存在っていうのは、現場にとって1つの活力になっています。自分も今回負荷がかかる役なので、彼女がそれを和ませてくれる存在でもあります。ただ緩いだけじゃなくて、彼女なりに麻帆という役との向き合い方は、すごく真剣勝負をしているなと隣にいても思いますし、お芝居への向き合い方に刺激をもらっています。彼女の存在は、LOVED ONEのプロジェクトにとって、なくてはならない存在だなと思っています。
(撮影の合間では)「パペットスンスン」のモノマネをしている瀧内公美と「ちいかわ」のモノマネをしているディーン・フジオカみたいな、なんか「スンスン」対「ちいかわ」みたいな感じになってますね、現場では(笑)。
――主題歌について、どのような思いの中で制作されましたか?
愛って実際なんなのだろうと考えた時に、記憶の積み重ねみたいなもの、何気なく過ごした日々のささやかな1コマ、一言とか、そういうものの積み重ねだと改めて思いました。とにかく飾らない言葉で、日常の、描写をひたすら丁寧に重ねる。それが1番、「Loved One」という楽曲、このドラマにピッタリだと。
難しい言葉を使わずに、世代とか、バックグランドの違いを超えて、削ぎ落として、詰め込み過ぎず。ドラマの中でかかった時に、被害者の方とか、遺族の方とかだけでなく真澄や麻帆、いろんな人生にかかってもどれにでもはまるような、その余白がちゃんとある曲を作りたかったんです。
――視聴者にメッセージをお願いします。
LOVED ONEという言葉に、自分は最初に、「ご遺体」という法医学の業界用語の言葉として出会ったのんですが、今回の物語の中で、登場人物が歩んできた人生の中に、誰かに愛されてきた記憶とか、誰かを愛してきた証みたいなものがそこにはあって。残された人々にとってどんな存在であったのかを丁寧に書き出す物語になっていると思います。
日常の尊さであったり、周囲にいる人々への感謝だったりとかに、気づくきっかけになればいいなと、ドラマを通しても、楽曲を通しても強く願っています。視聴者の方々の人生に、深く残るものになったらいいなと思って作っておりますので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

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