「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム」は、入院中の子どもに付き添う家族のための休息スペース。
同センター敷地内にはすでに、遠方から治療に訪れる家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス ふちゅう」が2010年に設置されているが、今回新たに院内に「ファミリールーム」を開設。1つの病院に「ハウス」と「ファミリールーム」が併設されるのは全国初となる。役割の異なる2施設がそろうことで、付き添い家族への支援の幅が大きく広がる。
背景には、子どもの入院時に家族が病室で寝泊まりしながら看病する「付き添い入院」が抱える課題がある。子どもにとっては大きな支えとなる一方、家族には精神的・肉体的・経済的な負担がかかり、“小児医療の見えにくい課題”とされてきた。家族が良好なコンディションを保つことは、子どもの安心や治療への意欲にもつながることから、家族と子ども双方を支える環境整備の重要性が高まっている。
東京都立小児総合医療センターは、小児の「こころ」と「からだ」を統合した高度・専門医療を提供する都内の拠点病院。年間延べ7900人以上の家族が付き添い入院を行っており、DMHCとはこれまでも「ハウス ふちゅう」の共同運営などを通じて、家族の負担軽減に取り組んできた。今回のファミリールーム開設により、院内でも安心して休息できる環境が整備される。
付き添い家族の状況はさまざまで、子どもの容体によっては病室を離れにくいケースも少なくない。新設されたファミリールームは、そうした家族が病院内にいながら気持ちを切り替えられる場として機能し、これまで支援が行き届きにくかった層へのサポートも可能となる。
オープンに先立ち、4月28日には開所式を実施。DMHC常務理事の河野辺孝則氏が「ファミリールーム」と「ハウス」の役割の違いを説明したほか、同センター院長の山岸敬幸氏が支援の取り組みや設置の背景を語った。さらに、府中市長・高野律雄氏ら来賓による祝辞に加え、東京都知事・小池百合子氏からのビデオメッセージも寄せられた。
式典内では、付き添い入院を経験した家族や看護師、ファミリールームマネージャーによるトークセッションも開催。現場の声をもとに、付き添い家族の負担や求められる支援について意見が交わされ、ファミリールームの意義と今後への期待が共有された。子どもと家族、そして医療現場を社会全体で支える取り組みの重要性が、あらためて示された。

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