※本稿は、児玉光雄『大谷翔平の思考法 「できない」を「できる」に変える』(アスコム)の一部を再編集したものです。
■大きな夢を描く人ほど挫折する
多くの自己啓発書に示されている「壮大な夢を描こう!」とか、「大きな目標設定をしよう!」といった魅力的な言葉。確かに、壮大な夢や大きな目標設定を描いているときに、私たちは幸福感を覚えます。
しかし、達成不可能な夢をいくら描いても、本気でそこへ向かうモチベーションは生まれてきません。
「1日単位で完全燃焼!」の覚悟を持って、自分の目の前にある「小さな行動の完遂」や、「小さな目標の実現」に果敢に取り組みましょう。小さな習慣こそが、偉大な成果を上げる必須の要素なのです。
私たちは、大谷選手が突然すごい才能を獲得したような錯覚を持ちます。しかし、事実はそうではありません。彼は小さい頃から日々小さな目標をコツコツとクリアしていくことで、凄い才能を手に入れたのです。近道はありません。
このことについて、大谷選手はこう語っています。
「僕は今でも野球が好きですし、練習するのが好きです。その日の練習で小さい目標を立て――例えばピッチングで何マイル以上出すとか――それを毎日更新していくことで試合のパフォーマンスも上がっていくと思っています」(www.salesforce.com)
■小さな習慣が苦手意識を消し去る
キーワードは、「日々小さな目標をコツコツと積み上げること」です。
私は過去30年かけて、250冊以上の著書を世に出すことができました。すべて自らの手でパソコンに打ち込んだ原稿が形になったものです。ライターさんに手伝っていただいた口述筆記は1冊もありません。
よほどのことがない限り、私は午前5時に起床して、軽い朝食をとった後、午前6時から12時までの6時間を執筆に充てています。もちろん、ひたすら執筆だけをし続けているわけではありません。
ストレッチ、コーヒーブレイク、スマホやパソコンでの雑用といった執筆と関係のない他の作業も行いながら、私に与えられた午前中の時間を目一杯活用して、パソコンとニラメッコしながら原稿を書く作業を黙々と行ってきました。
典型的な理系人間である私にとって、「好きでも、得意でもない執筆作業」を、「やらなければ苦痛に感じる作業」に変えてくれたのは、紛れもなく「小さな習慣」という強力なパワーだったのです。
■習慣化の鍵は「最初の2週間」
習慣化したかったら、少なくとも最初の2~3週間は、その作業を休みなく持続させること。
英国ロンドン大学の心理学者フィリッパ・ラリー博士は、ランチのときに果物も一緒に食べるとか、朝起きたら1杯の水を飲む、といった新しい習慣を定着させる実験を行いました。その結果95%の確率でその行動ができるようになりました。
早い人は、2週間で習慣が定着するのですが、ラリー博士が調べたところ、そういう人の共通点は、新しい習慣が形成されるまでは、一貫して休みなくやっていたという事実です。
それでは新しい習慣を定着させるには、具体的にどのようにすればいいでしょう。これは当たり前のことですが、実行が簡単である行動ほど、習慣化する可能性が高まります。
■やる気よりも大切な「実行しやすさ」
行動デザインの研究の世界的権威であるB・J・フォッグ博士が作成した行動モデルを図表1に示します。
横軸は能力であり、縦軸はモチベーションです。図の右側に行けば行くほど行動は実行しやすくなり、図の上に移行すればするほどモチベーションが高くなければ実行できないのです。
行動曲線の上側が行動可能な領域であり、行動曲線の下側が行動が困難な領域です。図表1のように、行動は繰り返せば繰り返すほど習慣化して、①→②→③のように右側に移行していき実行しやすくなるのです。たとえば腕立て伏せを例に取って考えてみましょう。
壁腕立て伏せ2回から始めると、習慣は簡単に身につくのです(図表2)。
一方、最初から腕立て伏せ20回から始めると、この行動は実行しにくいために習慣として定着する可能性は低くなるのです。
■習慣化こそ夢を叶える最強の武器
もちろん、その行動が「好きで得意」なら、行動曲線が下のほうに移行することは言うまでもありません。
つまり実行しにくい行動でもモチベーションがそれほど高くないときでも習慣に定着しやすいのです。ベストセラー『バカの壁』の作者で解剖学者である養老孟司さんはこう語っています。
「自分が好きなこと、それしかやらない。そう決めるのは自分である。そう決めてちっとも差し支えない。(中略)本当に好きなら苦労をいとわない。苦労が苦労ではないからである。苦労したくないなら、結局それほど『好きではない』のである」(日本経済新聞)
大谷選手にとっても、おそらくバットを振る作業や、キャッチャーのグラブにボールを投げ込む作業は、その作業だけを捉えたら面白くない作業のはずです。
それを「好き」で「得意な」作業に変えてくれたのは、紛れもなく習慣化の持つパワーを活用したからなのです。習慣化こそ、私たちの夢を実現する最強の要素となり得るのです。
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児玉 光雄(こだま・みつお)
スポーツ心理学者
追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問。
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(スポーツ心理学者 児玉 光雄)

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