中国メディアの環球時報によると、中国のトレンドやぜいたく品市場を分析する米ウェブサイトのジンデイリーはこのほど、中国人海外旅行者について、「自発的、デジタル化、ぜいたく第一」という言葉で特徴付けられるとする記事を掲載した。
記事によると、中国人海外旅行者数は今年、延べ1億5500万人を超え、世界の観光トレンドを一変させると見込まれている。
記事は、チャイナ・トレーディング・デスクによる今年第1四半期の中国海外旅行意識調査を取り上げ、リピーター旅行者がますます市場を独占し、海外旅行を初めてする人が海外旅行者全体に占める割合は2024年第3四半期の43.8%から38%に減少したと紹介。「この変化は、経験豊富な旅行者が成熟しつつある市場で成長と消費をけん引していることを示している」と伝えた。
調査によると、注目すべき傾向として、直前予約が増加傾向にあることが挙げられる。中国人旅行者の76%が出発の1カ月以内に旅行を予約している。この割合は24年第3四半期は73%だった。この自発性があらゆる年齢層に広がっている。
人気の旅行先にも変化が見られる。トップ3はシンガポール、日本、韓国で、タイは4位から7位に後退した。この変化は、安全上の懸念とリピーター旅行者の嗜好の変化によるものとみられる。欧州の旅行先は、特に文化体験や高級ショッピングの機会を求める富裕層を引き付け、5位に上昇した。
市場全体で高級志向が高まっている。
調査では旅行計画に対するSNSの影響力も確認された。中国版インスタグラムとも呼ばれる小紅書(レッドノート)が旅行のインスピレーションを得るための主なプラットフォームで、TikTokの中国本土版である抖音(ドウイン)がそれに続いた。旅行者の55%が自由旅行を好むため、旅行会社は重要性を失いつつある。24年第3四半期の割合は53.1%だった。
ショッピングと価格の透明性がこれまで以上に重要になっている。旅行者の79%が目的地に到着する前にショッピングの機会について調べ、98%が免税価格をオンラインで比較していることから、デジタルでの可視性と価格の透明性が重要な競争要因となっている。
中国人海外旅行者数は28年に延べ2億人を突破すると予想されており、長期的な見通しは明るい。(翻訳・編集/柳川)