米国がイランの核関連施設を空爆した後、ようやく停戦が実現したイスラエルとイランの軍事衝突。中国国営メディア傘下のSNSは「米国が中東に足を取られて中国を本格的にけん制できないだろう」「米国は中東から撤退して東方の中国に応対するという計画を延期せざるをえなくなる」と展望した。

韓国紙が紹介した。

韓国・中央日報によると、中国共産党機関紙・人民日報と国営中央テレビは、核施設の事前撤退によって空爆の被害が小さかったというイランメディアの主張をそのまま伝えた。

国営新華社通信傘下のSNS「牛弾琴」はイランへの爆撃が中国にとって三つの面で肯定的だと指摘した。第一に米国は結局退場することになるだろうとし、「宣戦布告もなく戦争を始めて勝利を語るが、主権国家に対する公然とした侵略」と非難した。

第二に「イラン政権の最終運命とは関係なく、混乱の衝撃波は中東全域に拡大するだろう」と述べ、過去のリビアやイラク、シリアの事例に言及した。第三には中東の混乱によって米国の長年の念願である中東撤退と「東方の大国」に対応する計画は延期になったと強調した。

米国の空爆に対し、中国外交部は声明を出して強く批判。報道官名の声明は「国際原子力機関(IAEA)が監視する核施設を攻撃したことを強力に糾弾する」とし、「米国の行為は国連憲章原則と国際法を深刻に違反した」と主張した。

人民日報は異例にも総合面ではなく16面の国際面サイドに関連記事を載せ、中国国内への影響拡散を防いだ。同紙は「イラン外務省が声明を出して平和目的のためのイラン核施設に対する米国の爆撃は『野蛮な軍事侵略』として強力に断罪した」と述べた。

国営中央テレビもメインニュースの10番目の内容として3分11秒間のボリュームで米国のイラン爆撃に触れた。放送は「イランはすでに事前に3カ所の核施設から撤退を断行しており、これら区域における放射性物質の漏出はなかった」とした。

その一方で中東の混乱は「米国より中国のダメージが大きい」との見方もある。中国の中東依存のエネルギー供給が深刻な混乱に直面する可能性があるためだ。

米誌ニューズウィークは「中国の公式統計を見る限り、2024年に中国はイランから石油を輸入していないとされている。しかし、研究者たちは非公式な手段で輸送されたイラン産の石油が中国の中小製油所などに輸出されているとみている」と報じた。

米国は原油の大部分をカナダから輸入。サウジアラビアとイラクも上位10カ国の供給国に含まれているが、輸入全体に占める割合は約8%にすぎないという。(編集/日向)

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