湖北省孝感市のハイテク開発区では12台の「スーパー演算能力エンジン」で構成された長江3D科学計算センターが従来の認識を覆しつつある。ここにあるコンピューターはどれも演算能力が従来のスーパーコンピューターの100倍以上でありながら、消費電力はわずか150分の1に過ぎない。
総投資額100億元(約2000億円)に上る同プロジェクトは、2023年に上海の拠点が設立され、24年に孝感の拠点の建設が始まり、3D科学計算センター、設備製造センター、通信ベースバンドチップ開発販売本部が一体化した総合演算能力産業クラスターを形成している。
同センターの業務担当者である王思源(ワン・スーユエン)氏は、「従来のスパコンセンターでは、年間の電気料金が簡単に1億元(約20億円)を超えてしまうが、当センターのコンピューターは消費電力が少なく、1台・1時間当たりの消費電力は100キロワット(kW)で、初期的な計算では12台の年間電気料金は1000万元(約2億円)以内に収まる」と述べた。
新薬開発を例にすると、同センターでは高い演算能力に支えられて、新薬開発には10年間の時間と10億ドルの費用がかかるという従来の「ダブル10」の法則から脱却し、わずか18カ月の時間、1億ドル以下の費用での開発が可能になった。節約された時間と費用は開発の効率向上に直接転化している。
同センターは運用開始以来、バイオ医薬、新素材、先進製造業などの分野における重要な演算作業を担っており、演算能力の受注額は1億元(約20億円)に達し、湖北省ひいては中国全土のヘルスケア産業に革新的な基盤を提供している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)