香港メディアの香港01は17日、韓国の調理済み食品が世界に進出している理由とする、中国のシンクタンク、安邦智庫の文章を転載した。
文章はまず、「近年、生活のペースが加速するにつれ、調理済み食品が人々の生活の中で果たす役割がますます重要になっている」とした上で、中国の調理済み食品市場の規模が2026年に1兆元(約20兆円)を超えると予想される一方で、中国料理はその味覚の多様性ゆえに、真の調理済み食品化が難しいとの分析もあることを紹介した。
その上で、「中国料理と多くの共通点を持つ韓国料理は、調理済み食品に関しては異なる状況にある」とし、23年の調理済み食品の輸出規模は、中国の16億ドル(約2368億円)に対し、韓国は7億2000万ドル(約1065億6000万円)と中国のほぼ半分に相当することに触れた。
文章は「米国のスーパーマーケットや日本のコンビニエンスストアから、中東の機内食に至るまで、工業化生産された韓国料理を食べられることは偶然ではない」とし、近年の韓国食品、中でもキムチや冷凍水餃子、インスタントライスなどの成長が顕著で、その背景には韓国料理が「家庭の台所」から「世界の食卓」へと産業的に変貌を遂げてきたことがあり、それをけん引しているのがテクノロジーだと紹介した。
文章によると、韓国の食品企業が伝統食品の標準化と大規模生産の推進に着手したのは1990年代と早く、2000年以降のいくつかの重要な技術革新が産業化の真の原動力となった。
その技術の一つとして、「鮮度保持冷凍と素早い再加熱」を挙げ、その代表例がbibigo(ビビゴ)ブランドの水餃子と石焼きビビンバだとし、コールドチェーン輸送後も「作りたて」に近い風味を実現していると紹介した。
文章は、業界関係者の話として、韓国の調理済み食品の核となる競争力はテクノロジーを活用して「家庭の味を標準化する」ことにあり、一見シンプルな食品でさえ、味、保存、包装、安全性などさまざまな面で技術革新が進み、こうした「目に見えない」システムとプロセスこそが、韓国料理が海外に進出し、スーパーマーケットに並ぶ可能性を支えているとした。(翻訳・編集/柳川)