中国浙江大学ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)全国重点実験室は8月2日、脳の仕組みを模倣した計算技術である次世代ニューロモルフィック・コンピューティングシステム「Darwin Monkey」(以下、「悟空」)を発表しました。「悟空」がサポートする人工ニューロンの数は20億個以上、シナプスは1000億個を超え、そのニューロンの数はすでにアカゲザルの脳の規模に近づいており、典型的な稼働状態下の消費電力は約2000ワットとなっています。

これは世界で初めてニューロン数が20億個を超える専用のニューロモルフィックチップに基づく脳型コンピューティングシステムです。

人間の脳は非常に効率的な「コンピューター」です。脳型コンピューティングシステムは生物学的神経回路の動作メカニズムをコンピューティングシステム設計に応用し、脳のような低消費電力、高い並列処理能力、高効率、インテリジェントなコンピューティングシステムを構築するものです。これまで世界で最大規模のニューロモルフィック・コンピューティングシステムは、インテル(Intel)が2024年4月に発表した「Hala Point」で、その人工ニューロン数は11億5000万個でした。

「悟空」にはダーウィン第3世代ニューロモルフィック・コンピューターチップ960基が搭載されており、全体は15台のブレード式ニューロモルフィック・コンピューティングサーバーから構成されています。浙江大学が主導する下で、之江実験室(Zhijiang Lab)と共同で2023年初めに開発に成功した同チップは、1基で235万個以上の人工ニューロンと1億個以上のシナプスをサポートすると同時に、脳型演算タスクとニューロモルフィック・オンライン学習メカニズムをサポートすることができます。開発責任者を務める浙江大学BMI全国重点実験室主任の潘綱教授によると、開発チームは「悟空」に複数のインテリジェントな応用の検証を展開しており、ディープシーク(DeepSeek)のような大規模言語モデルを導入して論理的推論やコンテンツ生成、数学問題の解決など高度なタスクをこなすことができるということです。(提供/CRI)

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