甘粛省敦煌市鳴沙山月牙泉景勝地サービスセンターはこのほど、長年の対策により、月牙泉の平均観測水位が安定して上昇していることを明らかにした。甘粛省地質環境監測院の最新データによると、月牙泉南岸のモニタリングポイントの水深は3.8メートル、水域面積は約2.1ヘクタールで、いずれもこの20年余りで最大値を記録した。
月牙泉は、風が吹くと「砂が鳴く」ような音を出す砂山「鳴沙山」のふもとにあり、「砂漠とオアシス」の共生が実現している。砂に埋もれることのない不思議な泉であるほか、形が月牙(三日月)にそっくりであることから「月牙泉」と呼ばれ、「砂漠第一泉」とも呼ばれている。砂漠の泉という独特の奇観は、生態学的価値が非常に高く、敦煌市の生態系の「バロメーター」となっている。
自然の要因と人為的要因が重なり、1970年代、敦煌盆地エリアの地下水の水位が下がり、月牙泉の水位も急激に低下し、水域面積も縮小の一途をたどった。その後、月牙泉の修復・補水プロジェクトが2016年に始まり、2020年に完了した。

貯水・水補給、試験・モデル、河道の洪水防止、自然の湿地環境の創出といった機能が一体となった月牙泉の修復・補水プロジェクトは、月牙泉保護の重要な措置となった。
近年、月牙泉の平均観測水位は安定して上昇し、2021年には3メートルの大台を突破。その後も安定して3.2メートル前後を維持している。
水が豊かで美しくなった月牙泉の景観を一目見ようと、中国国内外から多くの観光客が押し寄せている。今年1-6月期、鳴沙山月牙泉景勝地を訪れた観光客は前年同期比3.2%増の延べ125万7700人に達した。
さらに良い形で月牙泉を保護するべく、景勝地サービスセンターは月牙泉の水位データを収集し続けており、的確に事前対応するほか、科学的に水位の変化に対応している。