台湾の繁華街で中国国旗を掲げるなどした日本人が強制退去処分になったことが、台湾や中国で反響を呼んでいる。

台湾・移民署は25日、台北市の繁華街・西門町で中国国旗を掲げ、「台湾は中国のもの」などと発言する動画を撮影した日本人2人のうち1人を強制退去処分とした。すでに台湾を離れているもう1人については再入境禁止の処分を科したという。

SNS上で拡散されている動画には、当事者の2人が街中で中国国旗を掲げ、マイクを持って「われわれは日本人です。日本から来ています。私たちは中国をめちゃめちゃ愛しています」「台湾は中国のものです。以上。謝謝」などと、日本語と中国語で話す様子が映っている。

この動画が中国のSNSに転載されると、ネットユーザーからは「国際的友人だ。日本にも良い人がいた」「いい子たちだな」「彼らが言っていることは正しい」「台湾人が発狂するぞ」「もし日本国旗を掲げて『台湾は日本のものだ』と言ったら、問題にはならなかったのだろう」といった声や、「田中くんじゃないか」「あの田中くんともう1人の人でしょ」など見覚えがあるとの声が上がった。

当事者の1人は中国のSNS・微博(ウェイボー)で3万5000人のフォロワーを持つアカウント名「日本狸猫伝説田中裕之」とみられ、騒動後に「中国台湾省から強制退去させられました!」との動画をアップしている。

台湾のメディアはこぞって、驚きをもって伝えた。中でも自由時報は25日に「日本人が怒った!」と題する記事で、今回の件について日本のネットユーザーから「日本人の台湾でのイメージをわざと壊していて本当に不快」「日本じゃなく中国に送還してほしい」「日本国籍を剥奪すべき」「中国から金をもらっているのではないか」「中国人になりたいならまず日本国籍を放棄せよ」といった批判的な声が上がっていることを紹介した。(翻訳・編集/北田)

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