2025年8月29日、香港メディアの香港01は、中国でショートドラマがブームとなっており、市場規模が500億元(約1兆円)を超えていると報じた。

記事は、現代人の生活が多忙となる中、数秒から数分で見られるショート動画が流行しており、特に1話当たり数十秒から15分程度、縦画面で見られる、明確なテーマとストーリーラインを持つといった点を特徴とする「微短劇(マイクロショートドラマ)」が一大ブームになっているとした。

そして、中国の微短劇の市場規模は24年に500億元を超え、同年の中国国内映画市場の年間興行収入470億元(約9400億円)を上回ったことを指摘。27年には1000億元(約2兆円)に達すると予測されており、爆発的な成長力が今後も続く見込みであることを伝えた。また、24年時点で「微短劇」アプリのユーザー数は5億7600万人に達し、ネット出前、ネット文学、配車アプリのユーザー数を遥かに上回り、ネットユーザー全体の半数以上を占めるとした。

その上で、「微短劇」の人気について掘り下げて分析。まず1点目として従来のドラマより制約が少なく、奇抜で突飛なテーマや筋書きが可能であることを挙げた。そして、医療費を手に入れるために前科を持つ人物との結婚を選ぶといったストーリーのほか、「15秒ごとに1回生じる」と言われるほど頻繁な「どんでん返し」、富豪、横暴なCEOへの復讐といった、視聴者の「スカッとしたい」という欲求を満たす要素が随所に盛り込まれていると解説した。

2点目は制作サイドの観点として、低コスト、短期間、ハイリターンであるため、意欲的なストーリーや、独特な視覚効果を始めとする多くの革新的なプロジェクトを迅速に生み出すことができる点に言及。枠にとらわれないこの柔軟性と革新性が、市場の活力をさらに刺激しているとした。

記事は、「微短劇」自体がショート動画プラットフォームの黎明期より存在していたものの、長期間の成熟を経てついに昨年ごろより開花して爆発的なブームを迎えるに至ったと評している。(編集・翻訳/川尻)

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