2026年10月19日、台湾メディア・商伝媒は、ロボット技術で世界をリードしてきた日本が「フィジカルAI」の分野で米中両国の追い上げを受け、優位を急速に失いつつあると報じた。

記事は、ロボットや車両、生産ラインを動かすフィジカルAIの分野で日本は強固な基盤を持っていたが、投資と人材の両面で米中が急速に追い上げ、世界の競争構図は変わったと指摘した。

そして、2013~25年に民間投資家が米国のAI企業に投じた資金は約7570億ドル(約120兆円)、中国は1320億ドル(約20兆9000億円)だったのに対し、日本は70億ドル(約1兆1100億円)にとどまったと紹介。25年だけでも米国のAI産業への民間投資は2859億ドル(約45兆3000億円)と中国の23倍に上り、同年に資金調達したAIスタートアップも米国の1953社に対し日本は56社だったと伝えている。

また、日本は22年に世界の産業用ロボットの約46%を生産していたものの、24年には新規設置台数が減って世界シェアを中国に奪われ、中国のシェアが54%に達したことを指摘。中国はフィジカルAIモデルの学習に不可欠な稼働データの面でも優位性を高めているほか、人型ロボットでも強みを見せており、25年の世界の人型ロボットの出荷台数上位6社がいずれも中国企業だったとした。

さらに、日本では人材不足も大きな課題となっていることに触れ、20年の日本の人口100万人当たりの新規博士号取得者は123人で、英国の313人、ドイツの315人を大きく下回り、博士課程進学者も03年以降21%減ったと紹介。日本政府が今年7月に研究奨学金の拡充を発表したものの、短期間で差を埋めるのは難しいと指摘した。

記事は、事態の打開に向けて日本の政府と産業界が連携に乗り出しており、今年7月1日にはソフトバンク、NEC、ホンダ、ソニーなど44社が出資するAI企業Noetraが発足し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の5年間のフィジカルAI基盤モデル開発プロジェクトに採択されたと紹介。政府も26年度に約3873億円を拠出し、5年で1兆円近くを投じる見通しだとした。また、日産とホンダも米アプライド・インテュイションと提携し、ソフトウエア力の強化を図っていることにも触れた。

その一方で、日本政府が拠出する資金の規模は、米国企業が1年で調達する資金と比べると見劣りすると評している。(編集・翻訳/川尻)

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