WurtS × PEOPLE 1 × Chilli Beans.による3マンイベント「UPDATE」。WurtSによる発案によって、昨年7月17日(木)に第1回目を開催した同イベントの第2回目「UPDATE 2.0」が7月9日(木)、前回と同じ有明・東京ガーデンシアターで開催された。


【写真】「UPDATE 2.0」の様子(全22枚)

前掲の3組がどんなところで繋がっている関係なのかは、ライブ中のMCで3組それぞれに語っているので、以下のレポートを読んでいただければ、わかっていただけると思う。

2回目となる今回は、体調不良で今年1月から活動休止していたWurtSの復帰を仲間達および観客が歓迎するというもう1つのテーマもあったようだが、最初にオンステージしたのは、そのWurtSだった。

”The Returns”という文字を映し出した紗幕を文字通り切って落とし、WurtSとDJを含むサポートバンドは「魔法のスープ」からライブになだれこむ。そして、ほぼノンストップで鳴りつづけるドラムの4つ打ちのキックとともに「ふたり計画」「クラッシュ」とアップテンポのロックナンバーを繋げ、WurtSとサポートバンドの演奏は一気に加速していった。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

WurtS(Photo by ヤオタケシ)

「やっと帰ってこられました! 話したいこと、伝えたいことはいっぱいあるけど、まずはみんなに音楽をいっぱい届けられたらと思います!」

その言葉通り、この日、WurtSは前のめりとも言える勢いで曲を次々に披露。今年1月14日に配信リリースしたポップナンバー「SOMEDAY」を、やっとライブで聴けてうれしかったというファンもいたことだろう。

サンプラーを操りながら歌った「デジタルラブ」「Talking Box (Dirty Pop Remix)」と繋げ、エレクトロニックなダンスミュージックをバンドサウンドに落とし込むと、飛び跳ねながら踊る観客とともにホールを揺らしてみせる。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

WurtS(Photo by ヤオタケシ)

「めちゃめちゃいい景色が見られている。僕の中の『UPDATE』というイベントは横の繋がりと言うか、PEOPLE 1もChilli Beans.も大体同じ時期に活動を始めて、いろいろなフェスとかイベントで関わったり、対バンでも一緒に回ったりしてきた深い関係の2組なんだけど、こうやって彼らのライブを見ることで、自分の活力になっているような気がしていて、自分もアップデートデイトしようという気持ちになれる素敵なイベントだと思います。そして、WurtSはこれから第2章として歩んでいこうと思っているので、みなさんよろしくお願いします!」

そんな宣言から繋げたダンスポップナンバーの「タイムラグ!」とアーバンな魅力もある「リトルダンサー」では、それぞれChilli Beans.のMoni、PEOPLE 1のItoをゲストに迎え、熱いパフォーマンスを繰り広げる。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Photo by ヤオタケシ

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Photo by ヤオタケシ

「WurtSくん、おかえり!」

Itoの、この言葉をきっかけにWurtSの復帰を祝う拍手がホールいっぱいに鳴り響いた。そして、「一緒に歌ってもらえますか?」と言いながら、WurtSのライブに欠かせないアンセム「分かってないよ」のコール&レスポンスで一つになってエンディング――と思いきや、「自分のアップデートとして、新曲を持ってきました」とさらにもう1曲、「INSIDE」と題したスケールの大きなロックチューンを披露して、WurtSはダメ押しするように自らの復活を印象づけたのだった。


そんなWurtSからバトンを受け取ったPEOPLE 1は疾走感が心地いいアンセミックなロックナンバー「金字塔」とファンキーなポップナンバー「メリバ」を立て続けに披露して、見事にスタートダッシュをキメる。Ito(Vo, Gt)とDeu(Vo , Ba, Gt, Other)による目まぐるしいボーカルアンサンブルも見どころだ。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」


そして、その勢いのまま「スクール!!」をライブにふさわしいダンスアンセムにアップデートした「新訳:スクール!!」になだれこむと、<ヤーパーパパパ>と歌いながら、ジャンプする観客とともに早速、大きな一体感を作り上げる。曲の後半、ステージの真ん中で「ジャンプ! ジャンプ!」と観客を煽ってから、歌い上げるTakeuchi(Dr)の姿はもはや彼らのライブに欠かせないものであると同時に、いわゆるバンドというスタイルにこだわらないPEOPLE 1のフレキシビリティも印象づけた。

「三者三様だね。WurtSもChilli Beans.も大体キャリアは同じくらいなんですけど、全然別ベクトルを行って、こうやって集まれるってなかなかすごいんじゃないですか。しかも2年連続で」(Deu)

ファンキーなポップナンバー「夏は巡る」からの後半戦。ドープなラップからシャッフルのリズムで跳ねながら、歌がアイリッシュトラッド風(?)に展開する「DOGLAND」と、曲が持つメランコリーとは裏腹に攻撃性を剥き出しにしたロックナンバー「銃の部品」の2曲で持ち前のエキセントリックな魅力を見せつけたかと思えば、その「銃の部品」からいきなり赤裸々な姿を曝け出してみせる「生活」に繋げ、その落差とともに観客の記憶に大きなインパクトを残す。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Ito(Photo by マスダレンゾ)

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Deu(Photo by マスダレンゾ)

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Takeuchi(Photo by マスダレンゾ)

チルなラップナンバーがメンバーのシンガロングとともにアンセミックに展開した「生活」から、最後はお馴染みのライブアンセム「エッジワース・カイパーベルト」になだれこむ。そして、観客のタオル回しとともに見事、クライマックスを作り上げると、「一緒に踊ろうぜ!」とWurtSと彼のサポートバンドからDJを呼び込み、クライマックスの盛り上がりをさらに熱く、大きなものにしたのだった。

今回、トリを務めたChilli Beans.はドラマーに加え、キーボーディストとともにオンステージ。Lily(Gt, Vo)がコードをキラキラと鳴らした「star flower」から早速、ともに曲調はギターポップと言える「School」と「thats all i can do」を繋げていった。


WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Chilli Beanes.(Photo by マスダレンゾ)

そこから40分。もちろん、演奏に熱を込めるところではしっかりと熱を込めながらも、この日の彼女達は終始、リラックスモードという印象だ。

「同じくらいの年に結成して、年齢も近い2組が今でも活動を続けていることが自分達にとっても心強いことだし、今年も3組で『UPDATE』というイベントができてうれしいです!」

そんなふうに語ったMaika(Ba, Vo)がスラップを鳴らして、なだれこんだファンキーな「See C Love」。そこからぐっと盛り上げていくのかと思ったら、3人が繋げていったのは、Maikaがシンベを鳴らしながら、Lilyによるギターの轟音とともにシューゲイザー的な音像を作り上げた「cyber」、そして曲調はバラードと言えるものの、それぞれにサウンドがヘヴィだったり、R&B風だったり、ノスタルジックだったりと異なる魅力を持つ「pain」「yesterday」「ひまわり」の3曲だったのだから、彼女達はいわゆる熱狂とは違う形で観客の記憶にインパクトを残そうと考えていたんじゃないかと思ったり、そこに彼女達のチャレンジを感じたりも。ピアノのフレーズも印象的だった「yesterday」はMoni(Vo)のせつない歌声も聴きどころだった。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」

Chilli Beanes.(Photo by マスダレンゾ)

そんなムーディーな中盤から一転、最後はネオアコ風の「just try it」、ファンキーでアーバンな「Tremolo」と繋げ、バンドの演奏はテンポアップ。しかし、観客を煽ることもなく、クールな装いのまま、Lilyが奏でるリフとMaikaが鳴らすスラップの組み合わせもキャッチーだったポップナンバー「HAPPY END」でエンディング。敢えてライブアンセムの「シェキララ」をセットリストから外したことも象徴的だったと思うが、もしかしたら、それはライブのクライマックスを本編最後ではなく、WurtS、PEOPLE 1の3人も交えたアンコールに持っていきたいと考えていたからかもしれない。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」


「この2組は僕がこういう仕事をしていなくても聴いているだろうなっていうすごい好きなアーティストなので、お客さんを楽しませるとか、3バンドで盛り上げるとかももちろんなんだけど、自分達がフェスに来て、楽しんでいるような感じがする。だから、とても素敵な夜になったと思います」(Ito)

「復帰して間もないというのもあるんですけど、元気をもらいました。2組のかっこいいライブを見られて、みんなの姿も見られて、今日はほんとにパワーをもらったライブでした」(WurtS)

そのアンコール。ItoとWurtSがそれぞれにこの日のライブの感想を語ってから、Chilli Beans.の演奏で全員が歌ったのが、この日のために彼女達が書き下ろした「Feel like slowing down」。


前回はWurtSが書き下ろした「UPDATE feat. Deu & Ito (PEOPLE 1), Moni (Chilli Beans.)」をアンコールで披露したそうだから、そんなコラボレーションはもはやこのイベントの恒例と言ってもいい。惜別を駆り立てるせつなさが入り混じる悠然とした曲調に身を任せ、そんなことを考えていたら、最後の最後に来年7月7日に「UPDATE 3.0」が開催されることが発表され、観客に今一度、歓喜の声を上げさせたのだった。

WurtS復活の夜、PEOPLE 1・Chilli Beans.と鳴らした3マン「UPDATE 2.0」


セットリスト プレイリスト https://open.spotify.com/playlist/1KVoX3jLOUmjCOD9EfOCsJ?si=e893825c4c3f458a
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