これまで紹介してきた作品の中から、謎解きをテーマにピックアップ! ネタバレも用意しているので、知りたくない人は作品を見た後に、読んでみて! 今回紹介している作品:『ユージュアル・サスペクツ』『ファイト・クラブ』『鑑定士と顔のない依頼人』『真実の行方』『アイデンティティー』
結末の予測が不能な代表作!
『ユージュアル・サスペクツ』
製作年/1995年 監督/ブライアン・シンガー 出演/ガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシー
密輸船が爆破され、多額の現金と麻薬が消え去る事件が発生。唯一の生存者は、船の襲撃を指示された詐欺師ヴァーバルだった。
【ここからネタバレ】
話を聞き終えた警察は、ヴァーバルの犯罪者仲間の1人をカイザー・ソゼと断定。しかし、ここからが大ドンデン返し。取調室を後にし、街に消えたヴァーバルこそがカイザー・ソゼだと分かる。なぜならヴァーバルは、取調室にある書類やマグカップに書かれた文字を拝借して、嘘の供述を延々と話していたというわけ。警察は見事にそれを信じ、騙されていたというオチだ。
人間の本質を鋭く斬った物語に唸る!
『ファイト・クラブ』
製作年/1999年 監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
不眠症に悩むエリート会社員の“僕”は、出張中の機内で謎の男タイラー・ダーデンと出会う。互いを殴り合うことで自己を解放し、生きる実感を得るようになる。そんな2人のもとにやがて大勢の男たちが集結。秘密組織ファイト・クラブが結成され、地下室でのファイトが展開されるようになるが……。
【ここからネタバレ】
肉体的な痛みやタイラーへの友情を通して“僕”が自分を取り戻していく中、事態は“僕”の思惑からそれた方向へと転がっていく。タイラーは“僕”を蚊帳の外に置きはじめ、ファイト・クラブの面々と何やらよからぬ企みをするようになる。しかし、ある出来事をきっかけに、あれほど憧れていたタイラー・ダーデンは、実は“僕”自身が作り出した産物だと判明。ファイト・クラブを設立したのも、仲間とともに何かを企てていたのも、要はタイラーは自分自身だったのだ。患っていた不眠症も、会社員としての働く以外に、実はタイラーとして“僕”がレストランなどで働いていたせい。さらに、タイラーとの殴り合いも自分で自分を殴っていただけのことだったのだ。
『鑑定士と顔のない依頼人』
製作年/2013年 監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ 出演/ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス
美術鑑定士のヴァージルは友人の画家ビリーと共謀し、オークションで美術品を不正に落札する日々。そうして集めたコレクションを、ヴァージルは隠し部屋に飾って愛でていた。そんな中、ヴァージルは資産家令嬢のクレアから美術品競売の依頼を受ける。女性に接するのが苦手なヴァージルと、広場恐怖症で自室に引きこもるクレア。だから、鑑定士と依頼人でありながら顔を合わせたことのない2人。しかし、満を持して出会うと、たちまち恋に落ちるのだ……。
【ここからネタバレ】
偏屈で、女性に免疫のない男の一世一代のラブストーリー……と思いきや、実は哀しすぎぎる大ドンデン返し映画へと発展。クレアの目当てはヴァージルの秘蔵コレクションで、彼を巧妙に騙していたのだ。しかも、クレアの黒幕はなんとヴァージルの相棒だったビリー。画家としての自分を認めてもらえないビリーは、実はヴァージルに長年の恨みを募らせていたというわけ。
『真実の行方』
製作年/1996年 監督/グレゴリー・ホブリット 出演/リチャード・ギア、エドワード・ノートン
カトリックの大司教が惨殺され、現場から血まみれで逃走した聖歌隊の青年アーロンが容疑者として逮捕される。金儲け第一主義で目立ちたがり屋の敏腕弁護士マーティンは、無償でアーロンの弁護を行うことに。無実かどうかは関係ない。裁判に勝てばそれでいい。そう考えていたマーティンだったが、か弱いアーロンの無実を徐々に信じはじめ……。
【ここからネタバレ】
裁判が進む中、大司教がアーロンら聖歌隊員に性的虐待を行っていた事実が発覚。そこにこそ死の真相が隠されていると察知したマーティンは、アーロンを問いただす。追い詰められたアーロンは攻撃的な態度に豹変し、大司教の殺害を告白! アーロンは二重人格障害者で、彼の中には気弱な人格と攻撃的な人格が混在していた…。
『アイデンティティー』
製作年/2003年 監督/ジェームズ・マンゴールド 出演/ジョン・キューザック、レイ・リオッタ
ある死刑囚が多重人格障害を疑われ、死刑執行前夜に再審理が行われることに。一方そのころ、とある寂れたモーテルでは、運転手のエド、娼婦のパリスら男女11人が大雨により足止めされていた。しかも、11人が1人、また1人と何者かに殺される事態が起きる……。
【ここからネタバレ】
無関係に思えた物語と物語が、あるシーンを境にドッキング。モーテルの11人は、死刑囚の中にいる“人格たち”だったことが判明。この構成とドンデン返し感が見事で、一緒に観た彼女も口を開けてあんぐりすること必至! しかも、この作品が秀逸なのは、構成の妙が浮き彫りになった後もスリル感が続くこと。死刑囚の刑執行を回避するため、彼の中に多数いる人格たちは「殺人者の人格は誰なのか?」を突き止めなくてはならない。実は、その過程にも第2の大ドンデン返しが潜んでいるわけで……。さすがにオチは伏せておくが、数あるドンデン返し映画の中でも非常に巧妙。
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