かつては世界中で日本メーカーの家電が重宝され、中国でも高い人気を誇っていた。しかし、最近の中国市場では日本メーカーの家電を目にすることは少なくなり、代わりに中国メーカーが大きなシェアを占めるようになった。
そんな中国からすると、日本の製造業はもはや衰退したと見えるようだ。しかし、中国メディアの百家号は、日本の製造業は今でも大きな影響力を持っていると指摘する記事を掲載した。

 記事によると、「日本の製造業の底力は恐るべきものがある」だという。日本は中国同様、製造業のサプライチェーンや物流システムがきちんと整備されているが、中国との違いは「日本はローエンド製品の生産を海外へ移転したこと」にあると分析している。中国の製造業が台頭できたのは、日本によるローエンド製品の生産移転の恩恵を受けたことが大きく関係しており、これにより日本の技術を獲得できたそうだ。

 続けて記事は、日本は今でも製造業の分野で「絶対的な影響力を有している」と指摘した。
ロボットや電子部品などの分野では日本が圧倒的な競争力と発言権を持ち、世界シェアのかなりの部分を占めていると伝えた。また、半導体製造装置では日本が主導的な立場にあるという。

 しかし、日本の製造業の影響力が小さくなってきていることは確かだと記事は主張した。日本では大企業の業績が悪くなっており、一部の事業を売却していると指摘し、「日本の製造業にも変化が生じている」としている。それで、日本の製造業はまだまだ底力があるとはいえ、「中国が日本を超えるチャンスは十分にある」との希望的観測で記事を結んだ。

 実際、日本の製造業はコンシューマー向けの製品では存在感がなくなりつつあるが、製品を作るための「部品」や「材料」、そして「製造装置」の分野においては日本メーカーが大きな存在感を示している。
目立たないだけで世界の製造業の根本部分を日本は牛耳っていると言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)