中国メディア・中国新聞網は22日、中国で開かれた日本の歴史に関するイベントで、中国の学者が「日本の歴史を中国人が知る必要がある理由」について語ったと報じた。
 
 記事は、講談社の「日本の歴史」シリーズの中国語版が5月に中国で出版されたことに関連して、中国社会科学院や北京大学、清華大学などの日本文化や歴史の研究者らが参加してのシンポジウムが中国国内で開かれ、中国人が日本の歴史を知る意味についての議論が行われたと伝えた。

 
 そして、北京大学歴史学部の王新生教授が、日中国交正常化50周年を迎えるにあたり「日中関係は10年ごとに一つの区切りを迎えてきた。日本は学びの対象であり、ライバルでもある」とした上で、中国でも人気の高い宮崎駿氏のアニメ映画「もののけ姫」について、日本の歴史学者である故・網野善彦氏による日本の中世史観がモチーフになっていると説明、「このアニメを本当に理解しようとするのなら、歴史的な背景への理解が必要。それがなければ、作品を見ても理解する上で何らかの障害が残る。これも、われわれが日本史を知るべき理由の一つなのだ」と語ったことを紹介した。

 また、中国社会科学院の湯重南研究員が「歴史と現在の流れを把握することで初めて、未来を正しく予測することができ、日中関係を今後どのように発展させ、相互理解を深め、より安定した関係にしていくかが見えて来るのだ」との考えを示したほか、清華大学歴史学部の劉暁峰教授も「日本の人口は1億2000万人ほどだが、人口規模にしても経済規模にしても英国、フランス、ドイツより大きい。小国ではない日本についてわれわれは真剣に研究する必要があり、そのためには日本史を知ることも重要だ」と述べたことを伝えている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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