中国の農業では「三農問題」と呼ばれる社会問題が存在する。これは生産性の低下についての「農業問題」、農村の疲弊に関する「農村問題」、そして、農家の所得低迷を指す「農民問題」の3つの総称だ。
特に農家の所得の低さは深刻な問題と言えるが、中国メディアの快資訊はこのほど、この問題を解決するために日本の農業モデルから学ぶよう提案する記事を掲載した。

 記事は、中国農業を振興させるためには2の課題があると分析している。その1つが「農作業の負担を軽減させること」だ。記事によると、農作業のなかでも「収穫」は栽培やその後の管理より難しく重労働だという。この点で日本は、「野菜収穫運搬車」など、様々な野菜の収穫に対応し、収穫作業を楽にしてくれるような道具を活用し、負担を軽減しつつ生産性を高めていると論じた。

 もう1つの課題は「農産品の販売」だ。記事によると、中国では農産品の生産から消費者に届くまでに多くの中間業者が入るため、最終的な値段は農家が手にする金額の10倍以上になることもあるそうだ。そのため、農家の収入は低いままであるという。また、中国の農家は市場の需要に対する理解も乏しいので、誰かがある野菜で儲けるとみんなが真似て栽培し、結局は価格が安くなって、やはり利益が出なくなるという。

 この点で日本は、「農業協同組合」が農産品の生産と販売を調節しており、農家は余計な心配をせずに農業に専念できると紹介した。農協があることで中間業者が整理され、農家は収入を増やすことができているほか、農協は栽培計画や技術面でのサポートもしており、農家にとって大きな助けになっていると伝えている。

 それで記事は、農業機械の導入と農協のような組織を作ることで、農民問題を解決することができるのではないかと提案している。
中国政府も「三農問題」解決のために多くの予算を投入し、インフラ整備や補助金制度などを行っているようだが、なかなか成果が出ていないのが現状だ。記事が提案するように、日本の方法から学べることがあるに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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