日本には創業から100年を超える企業や、200年を超えるような長寿の企業が数多く存在する。また、世界で最も長寿の企業も日本にあるほどだが、中国は毎年、企業が数多く生まれると同時に、多くの企業が消えていく「多産多死」が特徴と言われており、その寿命は極めて短命だとされる。


 中国には「富不過三代」という言葉があり、どれだけ繁栄した一族でも「その富は最長でも3世代しか続かず、4代目には没落する」と言われているが、中国メディアの百家号はこのほど、中国では創業から100年どころか、3世代にわたって企業を存続させ、3世代にわたって富を蓄積することすら困難であると強調し、中国ではなぜ「富不過三代」と言われるのかと問いかける記事を掲載した。

 記事は、日本には創業から100年を超える企業が数多く存在すると紹介し、これは「富不過三代」という言葉が日本には当てはまらないことを意味することを強調した。

 中国は建国から70年ほどしか経過しておらず、それ以前は内戦や戦争の時代だったため、中国に創業100年を超える企業がほとんど存在しないのは仕方のないこととも言える。だが、中国で「富不過三代」と言われるのはそれだけが理由ではないと指摘し、理由の1つ目は「王朝時代における中国では、富は権力側につくことでしか手に入らなかったことが要因」と主張し、王朝時代の中国では権力の交代が早すぎて、富を手にした人間も権力の交代と同時に没落してしまう運命にあったと指摘した。

 また、2つ目の理由は「私有財産の保護」という概念が薄かったことだと指摘し、西洋であれば権力者が交代したり、社会環境が変わったりしても、私有財産が奪われることは基本的に許されることではなかったと指摘する一方、古代中国では王朝や社会環境が変わったときに私有財産が奪われることは往々にしてあったと紹介。こうした事例があったからこそ、中国では「富不過三代」という言葉が生まれ、定着したのだと指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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