中国では「日本は治安が良い国」というイメージを持つ人が多かったが、中国メディアの環球時報は2日、京王線刺傷事件の発生を受け、「日本の安全神話は崩れた」と主張する記事を掲載した。

 記事はまず、2021年のハロウィン当日に凶悪犯罪が発生したことを紹介し、東京都内を走行中の電車内で仮装した男が乗客を襲い、火をつけるという事件が発生したと指摘。
記事は、この事件よりもほんの2カ月余り前にも電車内で男が乗客を刃物で切り付ける事件が発生していて、すでに「日本の安全神話は崩壊している」と主張した。

 この事件で注目されたように、日本は中国と違って電車に乗るときの荷物検査がない。中国では治安維持を何より優先するのが常識になっているためか、これまでにも日本の警備が甘いとの意見が多かった。中国では厳しい荷物検査に加えて多数の監視カメラが設置されており、警備に顔認証システムを積極的に活用している。そのため、日本は危機感の乏しい国だと思っているのかもしれない。

 記事は日本国内でも警備の甘さに不安を感じる人が多いと主張し、ネット上のいくつかの意見を紹介している。「外出時には自衛しないといけない」、「パンデミックで失業や収入の激減を経験する人が多く、生活難で不満がたまっている」などの意見で、「日本の安全神話はすでに崩れた」との持論を支持しているとした。

 日本の「安全神話が崩れた」かどうかはさておき、日本人の間で不安が広がっていることは確かだろう。日本では、中国ほど強制力のある警備は取れないにしても、警備の強化を見直すことになるかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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