マシンビジョンシステムを扱う凌雲光技術(688400/上海)が7月6日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格21.93元に対し、初値は52.67%高い33.48元だった。
同社は2002年に北京凌雲光数字図像技術有限公司として設立した民営企業で、20年に株式会社化して現社名となった。光技術イノベーションを基礎とし、マシンビジョンおよび光通信業務を主業務としている。現在はマシンビジョン事業に注力しており、システムや設備、ソフトウェア、アルゴリズムの自主開発を進めるとともに、清華大学などとの共同開発にも取り組む。カスタマイズ可能なビジョンシステム、インテリジェントビジョン設備、ビジョンシステム重要部品を提供している。
コンシューマー電子分野ではアップルやファーウェイ、シャオミなどのサプライチェーンに入っており、鴻海精密、瑞声科技などの大手電子製品メーカーと長期的な提携関係を築いてきた。新型ディスプレイ分野では、京東方、華星光電、天馬、無錫シャープなど業界をリードするメーカーの生産ラインで同社の製品が利用されている。このほか、印刷包装、新エネルギー、インテリジェント交通、文化・エンターテインメントといった幅広い分野で広く応用されている。
2021年12月期の売上高は24億3611万元(前期比38.77%増)、純利益は1億7186万元(同30.27%増)。22年1~3月期の売上高は5億2551万元(前年同期比26.00%増)、純損失は1607万元(同40.78%の損失減)。
新規上場に伴い調達予定の15億元(約300億円)は、40%の6億元を工業用AI太湖産業基地プロジェクトに、約19%の2億9000万元を工業用AIアルゴリズム・ソフトウェアプラットフォーム研究開発プロジェクトに、14%の2億1000万元を先進光学・コンピューティング画像生成研究開発プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)