中国指標の内容が好感される流れ。取引時間中に公表された各種統計は、中国経済の過度な減速懸念を後退させる内容だった。7~9月GDP成長率のほか、9月の小売売上高や鉱工業生産が予想を上回っている。また、ハンセン指数はこのところ下落基調を強め、足元では約3週ぶりの安値を付けていただけに、値頃感も着目された。そのほか、昨夜の米株市場で、主要指数のNYダウが連日で史上最高値を更新したことも支えになっている。ただ、上値は限定的。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の月内開催を控え、政策動向を見極めたいとするムードも漂った。市場では、追加の財政出動が承認されるとの観測が流れている。中国人民銀行(中央銀行)などは国慶節連休前の9月下旬、金融緩和、不動産支援、株価テコ入れに向けた方針を矢継ぎ早に公表したが、各部門が開催したこれまでの会見では、市場が期待する具体的な財政出動に対する言及はみられていない。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電子機器製造受託サービス(EMS)中国大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が5.8%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.0%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が3.9%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体が高い。SMICのほか、華虹半導体(1347/HK)が5.4%、蘇州貝克微電子(2149/HK)が4.2%、晶門半導体(2878/HK)が4.0%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.6%ずつ上昇した。
中国の証券セクターも急伸。招商証券(6099/HK)が12.3%高、申万宏源集団(6806/HK)が9.2%高、中国国際金融(3908/HK)が7.0%高、国聯証券(1456/HK)が6.0%高で引けた。
ゼネコンや建機などインフラ建設セクターも物色される。中国鉄建(1186/HK)が1.6%高、中国建築国際集団(3311/HK)が1.3%高、中国中鉄(390/HK)が1.1%高、中聯重科(1157/HK)が10.1%高、中国龍工HD(3339/HK)が3.2%高で前場取引を終えた。
半面、非鉄・建材の一角はさえない。中国アルミ(2600/HK)が2.4%、中国宏橋集団(1378/HK)が1.5%、安徽海螺水泥(914/HK)が1.7%、北京金隅集団(2009/HK)が1.3%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.67%高の3190.63ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。消費関連株、医薬株、資源株、インフラ関連株、証券株なども買われた。半面、不動産株は安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)