17日午後9時40分現在、繁体字を「掌握している。読むことも書くこともできる」とした回答は、全体の7.4%。「読めるが大部分は書けない」は88.1%、「まったく分からない」は4.5%。
同アンケートは、台湾の馬英九総統が最近になり、「繁体字は知っていればよい。書くのは簡体字でかまわないのでは」と提案したことをきっかけに、実施された。
寄せられた意見には「本来の漢字は繁体字」、「伝統文化を守るためには繁体字だ」、「われわれは、文化断絶の世代にされてしまった」などと旧字体を重視する意見と「簡体字は進歩」、「繁体字にはロマンがあるが、実用的なのは簡体字」と、簡体字の利便さを支持する両方に分かれている。
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◆解説◆
中国で簡体字の使用が始まったのは1956年。識字率の向上が目的だった。それ以降、新たな簡略化をたびたび行った。ただし1977年の「第二次簡化方案草案」は極端な簡略化や方針の混乱により不評で、1986年に撤廃された。
日本でも漢字の簡略化が実施されたが、簡体字の方が画数を大きく減らした例が多い。
台湾は伝統的な旧字体を使っている。そのため、国際的にどちらの字体を使用するかが、政治的立場の表明とみなされることがあった。馬英九総統の提案も、大陸との接近を意識したものであることに、間違いない。
過去の例では、シンガポールの対中方針がある。両国の国交樹立は1990年だった。シンガポールは2003年ごろまでマレーシアとの対立があった。一方、近隣の大国であるインドネシアは中国と断交していたため、シンガポールも地域的バランスの関係上、インドネシアに同調した。シンガポールは、インドネシア-中国の国交回復と時期を合わせて、中国と国交を樹立した。
しかし一方で、中華系住民が多いシンガポールは1960年代に中国語表記に大陸側の簡体字を採用。「やむをえぬ事情で中華民国(台湾)との国交を続けているが、本音は中華人民共和国を支持している」との政治的意思表明だったとされている。
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