中国政府は29日、麻薬密輸罪で死刑判決が確定していた英国人アクマル・シャイハ死刑囚に同日午前10時半に刑を執行したと発表した。英国政府は同死刑囚に精神疾患があるとして刑の執行を見合わせるよう要望したが、中国の最高人民法院(最高裁)は根拠に乏しいなどとして却下した。
ブラウン英首相は同日、「釈放を求めるわれわれの要求が認められなかった」、「最大限の強い言葉で非難する」などと述べた。

 同事件を伝えた中国のニュース・サイト「環球網」には、刑の執行を当然とするコメントが、次々に寄せられている。

 「法律の前では、だれもが平等」、「正義の銃声だ」、「これで分かった。麻薬密売人と英国政府は同じ穴のむじな」、「死ぬのが恐いなら、中国で悪さをするな。お前の国の首相は寛容であるようだから、自国で薬物を売れ」など、死刑を当然とするだけでなく、英国側の動きを「不当な干渉」と考える書き込みが多い。なお、死刑は銃殺ではなく、薬物の注射で行われた。

 「すばらしい。英国の麻薬密売者への死刑執行を支持。1840年の教訓は、中国で繰り返させないぞ」、「アヘン戦争の時代は終わったんだ。英国人は、自分の家でよく考えてみろ」など、清朝末期のアヘン戦争に言及する書き込みもある。(編集担当:如月隼人)

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