中国では南部の広い地域で、大雨による被害が続いている。写真は福建省南平市内の将口鎮で撮影。
多くの民家が濁流につかった。中国では南部で長引く大雨が「雨魔」と呼ばれるようになった。

 大雨の影響で江西省では主要河川のひとつ、撫河が22日未明までに同省撫州市内で決壊。午前7時ごろまでに堤防が約400メートルにわたり崩れた。中国では1998年、全国規模で「史上最悪」とされた大水害が発生したが、江西省などでは、被害は1998年以上に拡大しつつあるという。

 中国政府によると、13日から21日午前8時までに江西・福建・湖南など中国南部の10省(民族自治区を含む)で、洪水などによる死者が175人、行方不明者107人が出た。被災者は2515万人で、171万人が避難。倒壊家屋は14万4000棟で、直接の経済損失は約297億元(約3971億円)。

 中国南部で水害が発生しはじめたのは5月ごろから。2009年夏から2010年春までは極端な旱魃(かんばつ)が続いていたが、5月からは一転して、大雨が各地を見舞った。(編集担当:如月隼人)

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