楊子晩報はこのほど、江蘇省南京市公安局秦淮分局ネット警察の陳娟大隊長を紹介する記事を発表した。彼女はおとり捜査の手法で、インターネット絡みの賭博や売春組織の摘発を続けているという。


 陳大隊長は43歳で、警察官歴は23年。インターネット絡みの犯罪を摘発するネット警察に配属されたのは2010年だ。約1年間の間に、犯罪を10件摘発し、「傑出した成績」により表彰された。

 2010年4月には、インターネットを利用したサッカー賭博を発見した。国外のサーバーを利用していたが、身分を隠してアクセスし、現金の授受は中国国内で行われていることを突き止めた。バーチャルな「おとり捜査」が奏功して、違法な賭博行為を主宰していたグループの摘発に成功した。

 同年7月には、南京市を拠点にした同性愛売春組織を発見。“男性顧客”を装いアクセスし、組織がホテルに派遣した男を、別の警察官が取り押さえた。組織の壊滅と、“顧客”約20人の身柄拘束に成功したという。

 犯罪捜査だけではなく、陳隊長は、インターネットのチャットで「自殺する」と宣言した若い男性と長時間対話して、思いとどまらせたこともあるという。

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◆解説◆
捜査員や捜査機関の依頼を受けた協力者が、身分や意図を隠して相手側に接触し、相手側が実際に犯行を行った時点で身柄を拘束する「おとり捜査」は、日本では厳しく制限されている。「犯罪を取り締まりするために、犯罪を誘発する」として、問題視する声が強いからだ。


 中国では、おとり捜査に対する批判があまりなく、「美談」として伝えられることも珍しくない。(編集担当:如月隼人)

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