省都・海南市では、ヘビや野鳥などの料理を目玉にする飲食店がある。値段は高いが、訪れる客は引きも切らないという。一部の店ではハクビシンや白鳥など、国による保護の対象であるなどで、食用できない野生動物を扱っている。自然保護の観点から許されないだけでなく、野生動物は多くの伝染病の感染源になることが知られている。
論説は、客の浪費やマナーの悪さも指摘した。食べられないほどの量を注文する客が目立つ。食べ残しを包んでもらって持ち帰る人もいるが、依然として残飯になる量は多い。本来ならば、売り上げを伸ばしたいはずの飲食業界からも、あまりの浪費を嘆いて「注文は計画的にしてほしい」との声が出るほどという。
客のマナーでは、飲食店の床にたんを吐いたり、骨を投げ捨ているなどが目立つ。客席で「見よかし」につまようじを使ったり、暑く感じると上半身の衣服を脱いで、裸体をさらす人もいる。
周囲にかまわず、大声で騒いだりけんかをする人もいる。混んでいて待っている人がいるのに、大騒ぎしながらトランプをして遊ぶ人もいる。
互いに勧めながら酒を飲むのはよいが、度を越したケースも多い。相手が明らかに飲めない人だったり、自動車を運転して来店したことを知りながら、酒を無理強いする人がいる。酔って大声を出すので、他のテーブルの客にとっては迷惑きわまりない。
店員の接客が悪い場合もあるが、少々のことで店員を大声で怒鳴りつける客もいる。酒に酔い、難くせをつける人もいる。結果として、店員が「ことなかれ主義」になり、かえってサービスの水準を低下させている。
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◆解説◆
中国が「野生動物の食用」に本格的に取り組んだのは、2002年から03年にかけて流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスの自然宿主がハクビシンではないかと疑われたことが、きっかけだった。その後SARSの自然宿主はハクビシンではなくキクガシラコウモリであることが判明した。
SARSの自然宿主がハクビシンと疑われ、中国政府が食用厳禁の方針を打ち出した後にも、広東省内の飲食店でハクビシンの料理を食べた日本人がいる。また1980年代末ごろ、雲南省の奥地の青空市場で「レッサーパンダ」が食用として売られていたのを見たという日本人もいる。
野生動物を食べたがる中国人がかなりいるのは、「美味追求」というよりも、希少で高価なものを食べることで「自分の財力や地位を誇示したい」という、いわゆる「面子(メンツ)」のためという側面が強いとの見方がある。(編集担当:如月隼人)
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