ドニーが訴えたのは出演が決まっていた中国映画『終極解碼』の監督・耿衛国(別名:檀氷)で、監督の発言は名誉毀損(めいよきそん)にあたると強調。書面を持って謝罪し、500万元(約7500万円)を支払うように訴えた。「2012年4月5日、記者会見の場で耿監督は、でっち上げた内容を話し僕を悪者扱いした。その内容を各メディアが報道している。名誉の侵害を直ちに止め、悪い評判を消すためにメディア陣の前で謝罪してほしい。経済的損失と精神への影響の賠償金として500万元の支払いと、訴訟費用負担も要求する」というのがドニーの言い分だ。
耿監督が発表していたのは、ドニーのせいで新作映画がぶち壊しになったという内容。「ドニーは権力を振りかざして、若手である僕をおとし入れ、破産状態にまで追い込まれた。映画に対する夢が、一夜にして崩壊したのだ」と話し、3年間準備してきた『終極解碼』は、ドニーが出演を辞退すると言い出し、変更を余儀なくされたこと。プロデューサーとして参加を予定していた成龍(ジャッキー・チェン)を降板させ、メインキャストの韓庚(ハンギョン)の出演も妨害、ほかにもさまざまな手を使って内容や出演者を大幅に変え、タイトルまでも『特殊身分』に変えられた、というのが耿監督がメディア陣の前で話していた要約。
この『特殊身分』の撮影中にドニーは、相手役の趙文卓(チウ・マンチェク)と喧嘩を始め、世間の注目を浴びた。マンチェクも耿監督同様、「ドニーが脚本を勝手に修正したこと、またドニー側の味方につかない俳優を降板させた」と指摘していた。