中国政府・公安部(中国国家警察)はこのほど、北京市、遼寧省、湖南省、広東省など全国各地で携帯電話の偽基地局を摘発したと発表した。72グループ、217人の容疑者の身柄を拘束した。
偽基地局からは、電波の入るエリアにある携帯電話に対して、メールアドレスなどに関係なく詐欺目的のスパムメールを大量に送付していた。

 2013年になり、湖南省や広東省から「私のアドレスが乗っ取られて、詐欺のメールが送られている」、「銀行や空港などでいつも、大量の広告のメールが送られてくる」などの通報が相次ぎ、警察が捜査に乗り出した。

 警察によると、上海市や深セン市(広東省)で、基地局の設備を違法に生産している拠点が見つかった。販売先は北京市や遼寧省などだった。最近になり、偽基地局運営グループに対する全国的な一斉取り締まりを実施。72グループ217人の身柄を拘束し、刑事事件として立件した。偽基地局の生産拠点は4カ所を壊滅させ、偽基地局設備96組を押収した。

 偽基地局設備は小型で、自動車内に設置して低速度で運転しながらスパムメールを発信していた。受信側の番号やアドレスに関係なくメールを送れる仕組みを“開発”し、空港や銀行など人の多い場所を狙い、電波の届くエリアに存在する携帯電話に、無差別に発信していた。

 「数字の縁起がよい」として好まれる電話番号は「利用者がいる可能性が高い」として、“なりすまし”た上で詐欺目的のメールを送りつけていた。「国家の権威ある部門」になりすまして、詐欺メールを送っていたケースもあった。(編集担当:如月隼人)
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