中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)は、オバマ米大統領の日本滞在中の24日夜、日本軍のハワイ真珠湾攻撃を題材にした米映画作品の「パール・ハーバー」(2001年公開)を放送した。番組予定を差し替え、全国放送したという。
中国の主力メディアは同話題を取り上げていないが、簡易ブログの微博(中国版ツイッター)では関連する投稿が相次いだ。

 「パール・ハーバー」は恋愛を大きなテーマとした作品だが、日本軍の真珠湾攻撃にまつわる物語りであり、印象的な戦闘シーンは多い。ただし、さまざまな戦闘シーンでに対して「実際にはありえなかった描写」との指摘もある。

 中国中央テレビは24日午後10時47分(日本時間同日午後11時47分)から同作品を、映画専用の6チャンネルで放送した。番組の予定を差し替えての全国放送さったという。

 中国大陸の主要メディアは同話題を取り上げていないが、中国共産党寄りの論調を特徴とする香港メディアの「大公報」はニュースサイトで同話題を取り上げ、一部大陸メディアが引用・転載した。

 「大公報」は、中央テレビが「パール・ハーバー」を放送したことについて「オバマの目をさまさせた。前の事を忘れず後の教師とする。目前の歓喜だけにうつつを抜かすことをせずに、将来のツケを心配せよ。米国が寛大であれば、日本の悪をはびこらせ、再び真珠湾の痛ましい歴史を繰り返すことになる」と論じた。

 簡易ブログの微博(中国版ツイッター)では同話題に関連する投稿が相次いだ。多くのコメントは、「中国当局の差し金で、真珠湾攻撃の映画を放送した」ことを前提としているが、自国側に対する評価は必ずしも芳しくはない。


 「オバマが日本で、時間通りに中央テレビを見ていると思っているのかね」、「中国は米国にしてやられたことを忘れていないぞ」、「中国政府の対抗手段に、腹の底から笑ってしまった」、「これしか方法がなかったんだよね。ほかにやりようがないからなあ(涙を流す絵文字)」、「(朝鮮戦争時に中国が北朝鮮を助け米国と戦った)抗美援朝の作品を放送せよ!」などの意見が目立つ。(編集担当:如月隼人)

 


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