中国メディア・環球時報は15日、尖閣諸島を巡る争いのなかで用いられる日本と中国の取り締まり船の強さを比較する記事を掲載した。

 記事は、日本の外交メディアが「中国が新たに建造した大型海上警備船が1万2000-1万5000トン級で、日本の海上保安庁が保有する最大の『しきしま』型巡視船はわずか7000トン」とし、日本側が海上警備船による取り締まりにおいて明らかな劣勢に立っていると伝えたことを紹介。


 これに対して中国海洋発展研究センターの郁志栄研究院が「トン数が大きな船は衝突時に有利だが、小さい船は機動力が高い」とし、必ずしも船の大きさだけで取り締まり船の優劣は決まらないとの見解を示したとした。また、現在東シナ海海域で活動している中国側の取り締まり船は1000-2000トン、日本側は1000-3200トン級であると説明したことを伝えた。

 さらに、13日午後に尖閣諸島付近に侵入したとされる中国の取り締まり船「海警31241」が、解放軍の護衛艦を改造した2200トン級の船で、100ミリ主砲や対空ミサイルなどが取り外される一方で、37ミリ速射砲が複数残されているとの情報を紹介した。そして、日本の取り締まり船も近年は軍用基準を採用し始めており、例えば「しきしま」は軍艦の規格で設計・建造され、艦体が特に強化されているとする郁氏の話を伝えた。

 記事は結局「どちらの取り締まり船が優位に立っているか」という問題に対する結論は下しておらず、比較するポイントとしてトン数に代表される大きさ、速度などで表される機動性といった要素を示すにとどまっている印象だ。一方で、日本側も中国側も取り締まり船の「軍備規格化」を進めており、装備や防御性の向上とともに尖閣諸島を取り巻く日本と中国との「にらみ合い」が過熱していることを示そうとしていると言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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