急速な経済成長を遂げた中国において、環境汚染が深刻な社会問題としてクローズアップされるようになってからすでに久しい。中国新聞網の18日付報道によると、中国政府・環境保護部の副部長が同日「現在全国の水環境は総じて向上しているが、状況は依然厳しい」とのコメントを発表した。
中国はまさに今、長期に及ぶ汚染との戦いの真っ只中にいるのだ。

 中国メディア・今日頭条は24日、水質の高い日本の河川を紹介し、その美しさを保つ秘訣について考察する記事を掲載した。

 記事は、今年7月に国土交通省から発表された2015年の「全国一級河川の水質現況」において、「水質が最も良好な河川」の1つに選ばれた四国地方を流れる仁淀川の写真を紹介。「日本の河川の流れがこんなにきれい。彼らはどんな方法を使って、川の水をこれほどきれいに保っているのだろうか」と疑問を提起した。

 そのうえで、疑問を解決するヒントとして4つのポイントを紹介。1つ目は日本の森林カバー率が高いことを挙げた。10年における森林カバー率で日本は68.5%を記録、かたや中国は21.6%と3分の1以下に留まっていることを紹介。森林は水源を育て、空気や水質を浄化する作用を持っており、国土全体に対する森林のカバー率が高ければ自ずと水もきれいになると説明している。

 2点目は、明治期以降に起こった産業革命や急速な経済成長の副産物として生じた環境破壊を経験し、そこから環境の再生と保護の意識が高まったことだ。1960年代より環境汚染対策を始めた日本では森林の再建も提唱され、森林カバー率が急速に回復していったと紹介した。

 3つ目は、政府の大々的な環境保護の政策や活動によって、国民の環境保護意識がより深まっていったこと、4つ目には河川の落差が大きく川の流れが急になり、水の動きが活発である点を挙げている。


 記事が特に訴えたいのはやはり、1つ目から3つ目の点だろう。森林は水を育てるだけでなく、良質な土壌も育む。大規模に伐採すれば、肥沃な土も失うことになってしまうのだ。見栄えだけを考えてペンキを塗ってごまかすなどもってのほかであり、地道な植林作業が必要だろう。そして、深刻な環境汚染を反省し環境保護へとシフトしようとする状況は、まさに今の中国社会に重なる。

 中国人観光客が多く訪れる浅草寺のすぐそばを流れる隅田川も、かつて悪臭を放ち魚も住めない「死んだ川」から復活した経験を持つ。黒、赤、白と様々な色に染まってしまった河川を元の澄んだ水に戻すべく、国や地方行政が真剣に対策を講じ、市民の環境保護意識がさらに高まることを願いたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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