学歴を重視する風潮が強い中国社会では、小中学校や高校はもちろんのこと、就学前の幼児に対する教育も熱を帯びている。早い段階からの教育がいいのか、一定の時期までのびのびと遊ばせるのがいいのか、意見の分かれるところだ。
中国メディア・生命時報は4日、日本の研究で「幼児期の遊びが少ないと、学校での学習についていけなくなる」という結果が出たとする記事を掲載した。

 記事は、「日本で行われた調査では、就学前の子どもに時期尚早な学習を迫ることで、9歳を過ぎたあたりから逆に学習についていけなくなるという結果が出た」と伝えた。

 そして、10歳以上の子を持つ1040人の保護者にアンケート調査を実施したところ、「就学前の幼児期に充分遊ばせた」との質問に「はい」と答えた保護者のうち35.8%が「わが子は学習の難題を突破することができている」との考えを示し、「できていない」の23.1%を上回る結果になったと紹介。両者の差は「毎日子どもと一緒に遊んだ」、「子どもにたくさん読み聞かせをした」という保護者の間ではさらに拡大したとしている。

 また、「子どもの好きなように遊ばせた」親と、「子どもの遊びを厳しく管理した」親では、後者の子どもにおいて9歳の段階で学習について行くのが難しくなるといった問題が発生しやすいことが明らかになったと紹介している。

 そのうえで、調査結果に対する考察として、日本の専門家が「幼児期には、遊ぶ際に五感を十分に働かせることで大脳の発達が促される。そして、9歳ごろは学習の内容が抽象的になっていき、より高い思考能力が必要となることで、子どもが学習の壁にぶつかりやすくなる。幼児期に十分遊ばなかった子は脳の力が追い付かず、学習が難しくなる」と指摘したことを伝えた。

 「遊ぶのが子どもの仕事」という言葉をよく見聞きするが、そこには実は深い意味があるのかもしれない。子どもたちは工作をしたり絵を買いたりする時にさまざまな空想をして、その世界を嬉しそうに話してくれる。そして、彼らなりにいろいろなことを考えている。その経験が、大きくなった時の思考を支える糧となるようだ。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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