記事は、同作品が宮崎氏の作品の中でも特に優れており、日本のみならず世界で好評を博したと紹介。
その上で「もしこの作品について、少女の成長物語と認識しているだけだとしたら、宮崎氏の実力についてあまり理解していない可能性がある」とし、幻想的なアドベンチャーの背後には、宮崎氏による日本の近代史に対する反省と解釈が隠されているのだとの見解を示した。
そして、作品の主な舞台である湯屋の「油屋」は、明治維新後の日本社会の様子を表しているとしたほか、まるで工場のように油屋を取り仕切る湯婆婆(ゆばーば)は西洋の工業文明の象徴であると説明。一方で湯婆婆の双子の姉で対照的な存在である銭婆(ぜにーば)は山林の茅葺き屋根に住み、伝統的な手工業を営んでいることから、日本の伝統的な農業文明を表しているとした。
さらに、油屋の世界で千尋を助ける「ハク」は、工業文明を持つ西洋への傾倒、脱亜入欧の心理を持ち、やがて自らを見失ってしまう日本を表しているとし、非常に印象的なキャラクターである「カオナシ」については、油屋に進入してあらゆるものを飲み込み、しまいには消化不良を起こして醜い姿を晒す様子が近代の日本人に当てはまる部分があると論じた。
記事は、日本経済が良くない時期だった2001年に初上映された同作品のテーマについて「実は、日本の全面的な西洋化の是非について模索し、これから先日本がどのような道を進むべきかという宮崎氏の思考なのだ」と解説。宮崎氏は同作品を通じて、日本の伝統を守り、自分に合った道を進むことこそ大切であり、「日本が自分自身を取り戻すための、唯一の活路」なのだということを伝えたかったのだとした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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