基本的に生食の習慣がない中国では魚の刺身を好んで食べる人は多くはなく、なかには刺身を口にすることすら大きな抵抗を感じるという人もいるほどだ。中国メディアの今日頭条は8日、刺身を口にすることに中国人が抵抗を感じる理由を考察する記事を掲載した。


 中国では近年、日本料理店は「お洒落で高級感がある」として人気が高まっており、刺身を口にしたことのある中国人が徐々に増えているのも事実だ。記事は、刺身は栄養面から言ってもタンパク質が豊富で、加熱調理によってビタミンやミネラルが失われることもなく、酵素の働きによって効率良く体内に吸収されるとし、「刺身はヘルシーな現代食だ」と主張した。また、中国でも健康志向の人が増えているため、中華料理とは違って「脂っこくなく、サッパリと食べれる刺身」を好む中国人も徐々に増えつつあると指摘した。

 一方、中国では生魚がいくら美味しいとしても、生魚の寄生虫による感染症被害の存在を知っているがゆえに、中国人の概念としては「加熱調理せずに、食材を生で口に運ぶことは危険と隣り合わせ」と感じ、刺身は恐ろしくて口にすることに抵抗を感じる人が多いと指摘した。

 続けて、現代の日本人が刺身を愛しているのは、日本の風土や文化に育まれた要因があると指摘し、それは、「日本が海に囲まれた島国で新鮮な海産物をいつでも入手しやすいことや、日本料理では季節の旬を生かした食材を素材の味で楽しむといった文化があるので、魚を生で食べる刺身の文化が浸透したのだ」と主張。こうした文化が広く浸透しているが故に、日本では寄生虫がいる魚や危険な部位などが常識として知られるようになり、スーパーや飲食店で提供される際にはきちんと処理されて提供されてて、安心して口にすることができると紹介した。

 中国では食の安全基準の信頼性が低く、衛生面にも拭きれない不安が存在する。ゆえに、たとえ刺身が美味しいとしても、中国国内では生食による感染症のリスクを冒してまで食べたくはないというのが多くの中国人の本音なのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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