味の素AGF、取得率約10%の狭き門・コーヒーマイスター支援強化  「ふぅ。」と心豊かにするコーヒーの価値伝達と共成長が目的
コンシューマービジネス部レギュラーコーヒーグループの鈴木空太グループ長、迫田優氏、コンシューマービジネス部ショッパーマーケティンググループの吉村真里子氏
 味の素AGFは、社内資格・AGFコーヒー検定の上級合格者「AGFコーヒーマイスター」(コーヒ ーマイスター)の活躍の場を広げて、支援を強化する。

 「ふぅ。」と一息つき、心を豊かにするコーヒーの価値を生活者に伝えること、社員とAGFがともに成長していく“共成長”を推進していくことが目的。


 コーヒーマイスター認定者にはこれまでも、委託先での勉強会やコーヒー講座への出演、味の素グループ株主優待でのプレゼンテーターなどの活躍の場が与えられおり、今後、この流れを加速させる。

 AGFでは、意欲を持って挑戦する個人が組織へ貢献し、組織はその挑戦を支援する。その循環こそが、会社の成長につながるとの考えのもと人財育成に取り組んでいる。

 その一環として、全国のスーパーやショッピングセンターなどで年間100回程度開催しているコーヒー教室の講師を内製化し、これまで外部に委託していた役割を段階的にコーヒーマイスターが担う体制への移行を検討している。

 昨年開催されたコーヒーマイスターの交流会では、横のつながり強化や活躍の場の仕組み作りについて議論が交わされた。

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コンシューマービジネス部レギュラーコーヒーグループの鈴木空太グループ長、迫田優氏、コンシューマービジネス部ショッパーマーケティンググループの吉村真里子氏 4月21日、コーヒーマイスターのひとりである鈴木空太さんは「社内にコーヒーマイスターという素晴らしい制度があることから、コーヒーの価値は社員自身が語るべきという結論に至った。現在は講師の内製化を検討しながら、一部で試験的な切り替えを進めている。全面的な移行については今後の状況を見ながら判断する方針だ。」と語る。

 全国の営業サポート業務を担当する吉村真里子さんは、売場でコーヒー教室を開催するにあたり外部と流通との調整役を担ってきた。現在は講師内製化の検討に伴い、コーヒーマイスターと流通との橋渡し役としての役割も担い始めている。

 「コーヒー教室は北海道から沖縄まで開催しているが、社員が遠方まで赴くのが難しいケースもあり、これまで外部に委託してきた。現在はコーヒーマイスターが試験的に講師を務めるなど、社内で検証を重ねながら今後の体制を検討している」と吉村さんは述べる。


 本社・支社間や支社同士の人財交流も視野に入れ、コーヒーマイスターの活動エリアを広げる取組も検討している。

 「各地で活動できる機会を設けたい。まずはテストとして東北エリアへ他エリアから数名の立候補者を派遣する。運用の手応えを見ながら、下期(10月)以降、対象エリアを広げられるか判断したい」との考えを示す。

 コーヒーマイスターの門戸は、調達・生産・開発・事務・営業などのバリューチェーンに関わる全ての社員に開かれており、これまでも複数のコーヒーマイスターを必要とするイベントなどを通じて人財交流がなされてきた。

 「コーヒー教室では部門を越えて社員同士がつながることができ、大きな刺激を受けている。営業は試飲の準備に慣れており、コーヒーの専門的な知見では研究所の社員が豊富だ。互いに学び合う中で、さらに研鑽を積みたいという思いが強まる」と語るのは、迫田優さん。
 営業時代にコーヒーマイスターを取得し、現在、「ちょっと贅沢な珈琲店」ドリップ商品のマーケティングを担当する。

 「取引先へ自分の言葉でコーヒーを語れるようになりたいと思い、資格を取得した。今は作る側に回り、知識の活かし方は異なるが、コーヒーマイスター取得のための上級プログラムで学んだことが今の業務にも活きている。MR(マーケティングリサーチ)で外食メニューを表現する際にも、研究所メンバーとの雑談で得た知識が活かされている」と迫田さんは続ける。


 一方、生産・開発などに携わるコーヒーマイスターにとっては売りの現場を知る貴重な機会になる。

 鈴木さんは「営業以外の社員にとっても、自分たちのコーヒーがどのように売られているのかをされているのかを知る機会になる。四日市港で生豆がどのように荷受けされているのかといった工程まで学ぶことができる。バリューチェーン全体を理解できる点が上級プログラムのいいところ」と捉えている。

マンションでコーヒー教室開催

味の素AGF、取得率約10%の狭き門・コーヒーマイスター支援強化  「ふぅ。」と心豊かにするコーヒーの価値伝達と共成長が目的
4月19日開催された「ちょっと贅沢な珈琲店 ハンドドリップ教室」と題したセミナー
4月19日開催された「ちょっと贅沢な珈琲店 ハンドドリップ教室」と題したセミナー コーヒー教室は、社員がコーヒーの価値を生活者に直接伝えることのできる場であるとともに生活者の生の声を聞ける場でもある。

 特に売場と直接関わる機会の少ない生産現場や研究所、経営企画にとっては貴重な機会となる。

 「営業にとってもコーヒー教室は貴重な機会。営業は流通のバイヤーとコミュニケーションを取っているが、実は生活者と直接接する機会は多くない」という。

 今年に入り、生活者との接点拡大を図るべくマンションの住民を対象に「ちょっと贅沢な珈琲店 ハンドドリップ教室」と題したセミナーを3月から6月にかけて開催している。

 セミナーは主に講義・実践・フードペアリングで構成される。

 実践パートではオリジナルランチョンマットや抽出器具などを一式用意して、実演を通じ、パーソナルタイプレギュラーコーヒー「ちょっと贅沢な珈琲店」プレミアムドリップの抽出方法を伝えている。

 オリジナルランチョンマットはブルーを基調に「珈琲を、こころに。」の一文ではじまるブランドコンセプトがデザインされ、誰かに話したくなる・誰かに見せたくなる気持ちを沸き立たせる工夫が施されている。


 セミナー1回あたり最大20人の参加を見込む。1日5回・1カ月おきに計2日開催して、3か月で最大600人の参加を想定する。

 「セミナーには、特別な体験をしていただきたいのではなく、AIや効率化、タイパが求められる時代だからこそ、忙しい日常の中でドリップするひとときを自分の時間として楽しんでほしいという想いを込めている」と鈴木さんと迫田さんは口を揃える。

 東京都中央区勝どきのマンションで4月19日に開催されたセミナーでは「子どもと一緒に楽しめた」「コーヒーマイスターの説明が分かりやすい」「おいしい飲み方を知ることができた」「蒸らしの重要性が理解できた」などの声が寄せられたという。

自分の言葉で魅力的に語れる人財を育成

味の素AGF、取得率約10%の狭き門・コーヒーマイスター支援強化  「ふぅ。」と心豊かにするコーヒーの価値伝達と共成長が目的
合格者に支給されるバッチ
合格者に支給されるバッチ AGFコーヒー検定制度は2015年に開始され、その翌年に、初級・中級・上級のうち上級取得者をコーヒーマイスターに認定する制度を導入した。

 コーヒーや会社のことを自分の言葉で魅力的に語れる人財を育成するため、全社員を対象に検定試験を年1回実施している。

 2026年1月時点で全社員683人のうち上級取得者のコーヒーマイスターは59人。取得率約10%の狭き門となる。

 試験内容は初級・中級がコーヒーとAGFの事業全般に関する座学のペーパーテスト。上級の受験資格は、中級に合格し製造現場(AGF関東・AGF鈴鹿)やコーヒー産地(徳之島)での研修など上級プログラム全過程を終了した社員に与えられる。

 コーヒーマイスターの試験は、座学のペーパーテストに加えて実技試験も行われ、焙煎度や産地の異なるコーヒーを言い当てるテイスティングに加え、コーヒーを用いたイベント運営を実践する内容などが含まれる。
 合格すると、ブラックエプロンやバッチなどが会社から支給される。
更新テストは設けていないが、継続的な研鑽が求められる。

味の素AGF、取得率約10%の狭き門・コーヒーマイスター支援強化  「ふぅ。」と心豊かにするコーヒーの価値伝達と共成長が目的
合格者に支給されるブラックエプロンを着用する迫田優氏
合格者に支給されるブラックエプロンを着用する迫田優氏 「パーソナルタイプレギュラーコーヒーは、使い勝手のよさやハンドドリップ体験の魅力をより多くの方に実感いただければ、認知率・購入率ともにさらに伸ばせるカテゴリだと考えている。コーヒーマイスターが直接お伝えする場をしっかりと作り、世の中にもっと『ふぅ。』を届けられるような活動をしていきたい」と迫田さんは意欲をのぞかせる。

 鈴木さんは「「ちょっと贅沢な珈琲店」はハンドドリップで淹れて飲まれる割合が高いことに触れ「ドリップすることで心が落ち着くといった価値をより多くの生活者に伝えていきたい。その役割を担うコーヒーマイスター自身も製品を好きでいてくれることは、グループ長としてこの上ない喜び」と語る。

 コーヒーマイスターは、AGF製品全般の価値伝達を担い、スティックブラックなどで簡便ニーズに対応した商品の価値伝達も行っている。

 吉村さんは「店頭でのコーヒー教室は、リクエストに応じて柔軟にカスタマイズできる。コーヒー教室を通じて、コーヒーをはじめとするAGF製品に触れていいただく機会を増やしていきたい。『おいしかった』『これからも飲み続ける』と言っていただけることが夢であり、メーカーで働く者の醍醐味だ」と力を込める。

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