現在25歳のグエイは8歳頃からチェルシーの下部組織に所属し、2019年9月にトップチームデビューを果たしたが、わずか2試合の出場にとどまり、スウォンジーへのレンタル移籍を経験後、2021年7月にクリスタル・パレスに完全移籍となった。昨季からはキャプテンを務めるなど、同クラブでは通算160試合出場で8ゴール4アシストを記録。2022年3月にデビューしたイングランド代表でも通算22試合に出場している。
そんなグエイの現行契約は2026年6月30日までと残り1年となっており、契約延長に応じる意思がないことを明確にしていることから、クリスタル・パレスは今夏の移籍市場で同選手を売却するか、来夏にフリーで手放すかの選択に迫られていることが明らかになっていた。
そうしたなか、移籍市場閉幕間際にリヴァプールから3500万ポンド(約70億円)に10パーセントの売却条項が付随する正式オファーが届き、クリスタル・パレスのスティーブ・パリッシュ会長は移籍市場閉幕の数時間前に渋々このオファーを受け入れ、グエイはメディカルチェックの第一段階を終え、5年契約を締結することが見込まれていた。
しかし、かねてよりクリスタル・パレスが後釜を確保するまではグエイの売却を認めない方針を示していたなか、トゥールーズからU-20フランス代表DFジェイディ・カンボを完全移籍で獲得した一方で、ブライトンのブラジル人DFイゴール・ジュリオはウェストハムに移籍したことで、望んでいた2名の代役を確保することができなかった。
さらに、当初から一貫してグエイを売却するべきではないと望んでいたオリヴァー・グラスナー監督が、移籍が成立するなら自分が退任する意向を表明したことを受け、土壇場でパリッシュ会長は考えを変更し、グエイの移籍は破談となった。
交渉がかなり進展し、クラブ側が送別のビデオも作成していたほか、プライベートジェットも手配されていた中で、この方針転換によって移籍が実現しなかったグエイは、ひどく落胆している模様で、2度とプレーしない兆候は見られないものの、キャプテンの座から退くことを検討しており、他のチームメンバーもグエイの移籍が認められなかったことには憤慨していることが報じられている。
なお、イギリス紙『タイムズ』によると、グエイはいかなる新契約オファーを拒否することが予想されており、来夏にはフリーでクリスタル・パレスを退団することが見込まれているという。
また、『ガーディアン』はリヴァプールが来年1月の移籍市場で再びグエイの獲得を試みる可能性を指摘しているほか、バルセロナやバイエルン、ユヴェントスなどからも関心が寄せられており、今夏はクリスタル・パレスに留まることになったが、グエイの今後の動向には注目が集まりそうだ。