―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。
連載第576回をよろしくお願いします。
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買ってはいけないGU!ワーストバイ

ユニクロの弟分」

 そう括るのはもはや失礼! 国内市場ではユニクロを凌ぐ勢いで人気があり、トレンドセッターとして常に新しい提案を続けるGU。

 バレルレッグ、スウェT、ドライポンチTなど大ヒット作を次々とリリースし、アンダーカバーやエンジニアドガーメンツ、ビューティフルピープルなど多くのブランドともコラボ。先日NYのお店がオープンし念願の海外進出も本格始動!

 ……と、そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのGUですが、そんなGUでも万能ではない! 「買ってはいけないワーストバイ」も存在します!

 ユニクロよりも型数が多い分、少々癖の強いハズレアイテムも一部あるもの。今日はそんなGUのワーストバイをお届けしましょう。

コラボするIPが貧弱なのは否めない

・プリントT

GU「買ってはいけない」ワーストバイ5。アパレル関係者が着ていない「NGアイテム」の正体
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 まずはプリントTシリーズ。

 本家ユニクロUTと比べるとコラボするIPが貧弱なのは否めない。特に今年はUTが集英社コラボなど大型IPと協業するのに対し、GUは「ジョジョ」、「コナン」が新鮮なくらいで、型数もUTと比較すると大幅に少ない。今後は「エヴァンゲリオン」コラボも予定されていますが、あらゆるところとコラボが見られる擦られ続けたIPだけに、ファンは多いものの期待値は薄め。自社プリントは海外インバウンド客向けのジャパンお土産シリーズなどかなり貧弱。

 唯一人気があるのは「ゴーストバスターズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など80~90年代の懐かしい映画コラボくらいか。ただしこちらもGU以外の量販店で正直どこでも見かけるコラボ。これらはコラボし尽くされているためライセンス窓口や制作フローが明確で交通整理されているため、多くのブランドが導入しやすい。

「え!? こんなIPとコラボするの!?」と思わせてくれたり、「集英社括り」など既存のIPを飛び越えた編集力のあるUTとは雲泥の差。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」コラボTはもはやロードサイドの格安店でも見つけられるので……。

 ただしIPは弱いものの、GUのボディデザインは優秀。素材やシルエットはUTよりも今っぽいものが多いため、グラフィック以外は評価できる。それだけに弱いIPと弱いグラフィックなのがなんとも勿体無い……。アパレル関係者でUTを着用している人はそれなりに見かけるが、GUのプリントTを着ている人は私見ですがほとんどいません。せっかくプリントの質もボディのシルエットも良いのに勿体無いなあ。

その分無地Tは優秀

・ドライポンチT(5分袖) 1290円
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・ドライカノコクロスネックT ENGINEERED GARMENTS 990円
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 ただしその分、無地Tは優秀。

 おそらくプリント=ユニクロ、トレンドライクな無地T=GUという感じで棲み分けを多少意識しているのかなとも。シルエットのトレンド感ならユニクロのエアリズムシリーズよりもGUのドライポンチの方が優秀だし、快適さで言ってもユニクロよりもGUのドライカノコTの方が上。

 GUに足りないのはプリントだけ。来年は是非優秀IP獲得に頑張って頂きたいと勝手ながら思っております。

一時代を築いたGUのヒット作だが…

・スウェT
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 一時代を築いたGUのヒット作「スウェT」。

 ヴィンテージのスウェットを意識したようなディティールが特徴。サイドと裾にリブ、フロントにガゼットなどスウェットを象徴するデザインをしっかり入れ込んでいるものの、実はこちら、素材はTシャツ。
「スウェットの重厚感を思わせながら、着心地は軽いTシャツ」という新しい提案は、あっという間に市場に受け入れられました。

 が、昨年くらいから「売り過ぎた」感が出ており、学生からおじいちゃんまで「スウェT」を見かけるように。可愛らしいシルエットでしかも安いのに、他のTシャツとちょっと違う、そんな無理のない差別化デザインと格安価格がウケすぎたのでしょう。

 GU側も昨年、今年とじわじわとスウェTの規模を縮小。一時期はありとあらゆる素材・色・デザインで展開しており夏の主役級に打ち出していましたが、今年は店頭陳列でも影に隠れた存在に。おそらくGUも「売り過ぎて価値を失ったから次のヒットを!」と思っているのでしょう。

 たしかにストリートトレンドにおいてはこれらスウェTはよかったですが、現在は少し大人っぽいファッションがトレンドに。先ほどの無地Tなどを選ぶのがいいと思うし、GUのラインナップを見てもその思惑が見え隠れします。

人気だったスウェTも

・スウェT(5分袖) UNDERCOVER 1990円
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 ただし、GU×ピーナッツ×UNDERCOVERのトリプルコラボは人気だった様。

 意外な3社の組み合わせで価値も高い。今年スウェTを買うならこのあたりが良いのではないかと思います。

ワーストバイの中で特に説明不能の謎ムーブなのが…

・シューズ
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 今回のワーストバイの中で特に説明不能の謎ムーブが「シューズ」。

 あれだけ支持されていたGUのメンズシューズカテゴリなのに、今回はほとんど展開ナシ。革靴の新作もほとんどなく、サンダルはなんと6月上旬時点でゼロというから驚き。
サンダルが最も売れるのは5~6月頃(7月になると既に購入される方が多いので、実需期は一般的にこのくらいです)なのに「近日発売予定」のラインアップにも入ってこない。一体どうしたのか。シューズデザイナーが辞めた? 引き抜かれた?

 GUの中でも単価が取れる貴重なカテゴリのはずなのに、この体たらくは謎すぎる。昨年冬から本革シリーズの展開が少なくなったのは原皮価格の高騰で理解できるのですが、サンダルまでやらないのは一体何故だろう。トレンド的にも今年はサンダルがそれなりに売れているし、不可解極まりない。

 おそらくなんらかの事情があり制作できなかったか、納品が間に合わずドロップしたかだと思いますが……期待していただけに非常に残念です。

唯一新作スニーカーの中でなかなかの出来

・ナイロンコンビフラットスニーカー 1990円
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 唯一、新作スニーカーの中で「ナイロンコンビフラットスニーカー」はなかなかの出来。

 今のトレンドを的確に抑えたフラットスニーカー。素材の切り替えも上手で高級感もちゃんとあり、この価格で実現できるのは奇跡!

 秋冬はこれに準ずるラインアップが豊富に用意されてる……と信じて待ちましょう!

「おもちゃ」の様な質感にとどまっている

・シルバー
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 銀価格が高騰するも、メンズは久々のシルバートレンドに沸いています。

 もっとも銀価格が高騰するから人気なのかもしれません。直近の銀価格は20年前の20倍まで跳ね上がっています。多少の下落は見られるものの、基本的には右肩上がりで安定した投資対象としても見られており、リセールバリューも極めて高い。20年前、1万円で購入した銀なら現在は20万円になっているわけで、タンスの中から銀を探して買取店に持って行く人も最近は多い様です。

 服は布と糸で原材料に価値はありませんが、シルバーは原材料そのものに価値がある。
なのでどの時代になろうと、どれだけトレンドアウトしたデザインであろうと、引き取る価格は一定の水準をキープできる(というかむしろ上がる可能性が高い)ので無駄がない。払ったお金が戻ってくるだけでなく、むしろ投資として得をするため、服好きがシルバーに傾倒するのも頷けます。

 しかし、そんな背景があるためユニクロはじめほとんど全ての量販店はシルバーに手が出せないでいます。GUもシルバーアクセサリーを展開しているものの、原材料は格安の合金が中心。そのため、「おもちゃ」の様な質感にとどまっており、とても大人の男性の使用に耐えられるものではありません。

 アクセサリーが得意なGUでもこの壁は超えられない。シルバーだけは絶対にGUで買ってはいけません。

ベルトやバッグなら名作揃い

・ベルト
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・ソフトナイロンコクーンショルダーバッグ 2990円
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 しかしながら、シルバー以外、ベルトやバッグなら名作揃いなので、アクセサリー全般がダメなわけではありません。

 原材料的にどうしても劣ってしまうシルバー以外ならアリ!

GUが手薄なクールビズスタイル

・ポロシャツ
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・ドレスシャツ
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 最後に、GUが手薄なのがクールビズスタイル。

 春秋のスーツなどは優秀ですが、夏のスタイルで使うポロシャツやドレスシャツは、ビジネスで使えるレベルでは全くありません。シャツはオーバーサイズが多く、ポロシャツも大きく変化のあるデザイン。クールビズらしいデザインは皆無です。

 スラックスや革靴の展開などがありビジネスウェアを提案しているにも関わらず、夏になるとここまで貧弱になるのはこれいかに。おそらくユニクロのエアリズムポロやオーダーメイドドレスシャツなどが強過ぎて、展開しても太刀打ちできないし、競合して食い合うだけなのでしょう。


 クールビズを揃えるならユニクロ。くれぐれも間違ってカジュアル用のオーバーサイズのポロシャツなどをクールビズで使わないように……。

セットアップスーツはアリ

・ウォッシャブルテーラードジャケットSW(セットアップ可能) 4990円
GU「買ってはいけない」ワーストバイ5。アパレル関係者が着ていない「NGアイテム」の正体
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 もちろん、セットアップスーツはアリです。

秋冬以降のGUは相当期待できる!

GU「買ってはいけない」ワーストバイ5。アパレル関係者が着ていない「NGアイテム」の正体
写真はイメージ。mesamong - stock.adobe.com
 ちなみに最後は余談ですが、秋冬以降のGUは相当期待できます。

 元マルニのフランチェスコ・リッソがGUディレクターに就任するので、すでに近日発売予定のアイテムラインアップに「マルニ風」のものが目白押し。

・デニムワイドカーゴパンツ UL 3990円
GU「買ってはいけない」ワーストバイ5。アパレル関係者が着ていない「NGアイテム」の正体
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・ツイルバギークロップドパンツ ST 2990円
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・ウエストバッグ ST 1990円
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 シンプルなデザインにステッチやカラーなどで違和感を与えるマルニ節がすでに炸裂しています。日本人にはなかなか出来ない色配置が面白く、GUの今後が期待できます。

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【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
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